第32話
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の居住区。
ここでは生前の癖と言うべきか、天国での穏やか過ぎる生活に馴染めなかった者達が集まっているのだ。
閻魔大王に尋ねて、ある人物が暮らしている場所を訪れたのだが、全く見当たらない。
目の前に老人がおり、目当ての人物を知っているかもしれないと尋ねた。
「あの、すみません。ここに孫悟飯さんって言うお爺さんを知りませんか?」
「む?孫悟飯は儂じゃが…その道着は…」
振り返った人物がいきなり目当ての人物だったことに悟林は喜ぶ。
悟飯は悟林が着ている道着が孫の悟空が着ていた亀仙流の道着であることに気付く。
「この道着はお父さんとお揃いなんだ。初めまして、曾お祖父さん。私は孫悟空の娘、孫悟林です」
一礼しながら言うと悟飯は硬直した。
悟空の娘、つまり目の前の少女は自分の曾孫なのだ。
「悟空の娘…つまり儂の曾孫か…!」
「そうだよ、因みにお母さんは牛魔王お祖父ちゃんの子供なんだ」
「牛魔王の娘!?」
悟飯は悟空が兄弟弟子の牛魔王の娘と結婚し、子供を授かったことに驚きながらも喜んだ。
「後、私に双子の弟がいるんだけど、名前は曾お祖父ちゃんの名前なんだ。」
「悟空が息子に儂の名前を…こんなに嬉しいことはないの……。遅くなったがおめでとうと悟空と牛魔王の娘に伝えておいてくれんか?」
「いやー、伝えたいのは山々だけど私も死んでるから無理だよ曾お祖父ちゃん」
「は?」
悟飯は改めて悟林の頭を見た。
頭の上には死人の証である輪があり、目の前の曾孫が死人であることを示していた。
「な、何故こんなに早く死んでしまったんじゃ!?まさか病か!?」
「うーん、話せば長くなるんだけどねぇ」
取り敢えず悟林は悟飯に今までのことを話した。
悟空がサイヤ人と言う宇宙人であり、満月を見れば大猿になる種族であること。
そしてフリーザ、人造人間…特にセルとの闘い。
悟林が悟空を超えたことも話し、そして自分のことのように喜んでくれたことを伝えると悲しそうに笑った。
あの幼かった孫が子供の成長を心から喜べる父親になれたことを喜び、そして娘をこんなに早く失ってしまった悟空に悲しみを抱いた。
「悔しいのう…本当だったらお前さんもまだまだ家族と楽しく過ごせたはずなのに…その大切な時間を…儂の孫と曾孫から奪った悪党が許せんわい…」
「……」
「じゃが、良くやった!良くぞ地球を守ってくれた…お前達は儂の誇りじゃよ」
曾孫の頭を撫でる悟飯。
それにしても髪型も顔立ちも悟空に全く似ていない。
母親に似たのだろうか?
「どうしたの曾お祖父ちゃん?」
「いや、お前さんは全然悟空に似とらんなと…母親に似たのかのう?」
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