第四百十二話
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第四百十二話 まずは飲んで食べる
博士の目の前には鯛の刺身に鮭のカルパッチョ、牡蠣フライ、鱈のムニエル、鯨のベーコンそれに海老のチリソースがあった。
そういったものを白ワインで楽しみつつ博士は言った。
「ボトルは二本、デザートはメロンじゃ」
「メロンですわ」
「それにする」
今日は研究所に泊まることにしている小田切君に話した。
「そうしてデザートまで楽しんでからじゃ」
「外出ですか」
「ちょっとどうにもならん奴を探してな」
そうしてというのだ。
「そいつをじゃ、何人か気の向くままじゃ」
「殺してですね」
「すっきりしてな」
そうなってというのだ。
「寝る」
「そうされますか」
「まあ世界の治安の悪いところに行けば」
「どうしようもない奴はいますね」
「だからな」
「そうした奴をですか」
「これで殺して来る」
こう言いつつ自分の電気鞭を出した。
「この電気鞭の高圧電流を使えばじゃ」
「死なない人間はいませんね」
「一億ボルトの電流を流せる」
犠牲者達にというのだ。
「だからな」
「簡単に殺せるからですね」
「ちょっと行って来る、そうじゃな」
博士はカルパッチョを食べつつ言った。
「今夜はテレポートでヨハネスブルグに行くか」
「あそこですか」
「あそこに行けばな」
南アフリカのその街にというのだ。
「ならず者なぞじゃ」
「ゴロゴロいますね」
「世界一治安の悪い街じゃ」
「今でもそうですか」
「多少ましになったかも知れんが」
博士は飲みつつ述べた。
「今でも大勢おるじゃろ」
「だからそうした連中を探すならですか」
「うってつけじゃ、かつてのサウスブロンクスや九龍城もよかったが」
「今はあそこですか」
「碌でもない連中は世界一多い」
「じゃあお酒を飲み終えて」
「デザートまで食ったらな」
その後はというと。
「ワープで行って来る」
「道具使われてですね」
「そうしてくる」
軽く言いつつ飲んで食べていく、博士はそうしながら今はデザートのメロンのことも考えていた。
第四百十二話 完
2021・10・14
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