第十一幕その三
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「本当に。ただね」
「ただ?」
「どうもあのお店はあれだね」
ここでこうも言うのでした。
「カップルで行って食べるところだね」
「そうなんですよね」
ナターシャもそうだと答えました。
「実は」
「わしはそうした人がいないからね」
「だからですか」
「そこは違ったよ」
そうだったというのです。
「どうもね。しかしね」
「それでもですね」
「楽しませてもらったよ、あの街も」
「面白い街ですね」
「うん、そしてこの街もだね」
「あの街は川でこちらは運河ですが」
その違いはあってもというのです。
「お水が多くて」
「橋も多いね」
「そうです」
こう言うのでした。
「その橋を渡っていくことも」
「いいね」
「風情があって」
「本当に何度観ても奇麗な街ね」
トロットは街の中を歩きつつ思いました。
「こちらは」
「うん、奇麗過ぎてだよ」
キャプテンも街の中を見回して言います。
「街自体が宮殿の様な」
「そうした風にも思えるわね」
「全くだよ」
「ここは美術館もあるのよね」
トロットは笑顔でそちらのお話もしました。
「それじゃあね」
「美術館にもだね」
「行きましょう、イッソスの国の美術品が集められているから」
「それを観にね」
「行きましょう」
「あの」
ナターシャがトロットに尋ねました。
「いいですか?」
「どうしたの?」
「その美術館は何て名前ですか?」
尋ねるのはそちらのことでした。
「一体」
「エルミタージュっていうのよ」
トロットは笑顔で応えました。
「その美術館はね」
「エルミタージュですか」
「ええ、知ってるかしら」
「はい、まさにです」
ナターシャはトロットに答えました。
「サンクトペテルブルグにある美術館です」
「外の世界ではそうなのね」
「昔は皇帝の宮殿だったんですが」
「今は美術館ね」
「そうなっています」
「オズの国では最初からなのよ」
美術館だというのです。
「宮殿じゃないのよ」
「そこは違いますね」
「そうなの。それじゃあね」
「美術館にもですね」
「行きましょう」
トロットはナターシャそして他の皆に笑顔で声をかけました、そうしてでした。
皆でエルミタージュという美術館に行きました、本当に宮殿そのものの壮麗さで素晴らしい庭園まで持っている美術館でした。
その美術館の中に入るとでした。
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