第四百八十四話 呉越同舟に非ずその五
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「あっちの世界でもな」
「そうよね、不思議よね」
「金も出来て家もあってな」
「穏やかに暮らせる筈なのに」
「それこそ次から次に厄介ごとが来て」
それでというのだ。
「暇なしなんてな」
「おかしいわよ」
「全くです」
めぐみんも言ってきた。
「私達に暇がないのは」
「おかしいよな」
「全くよ」
「この人達から不幸の星が見えます」
半兵衛が三人を見て述べた。
「どうにも」
「ああ、だからか」
「はい、次から次に揉めごとが来てです」
こう義晴に話した。
「忙しいままかと」
「そうした星の下に生まれたんだな」
「どうやら」
「そうした人もいるよな」
「そうですよね」
「確かにそうだな」
九内もその通りだと頷いた。
「世の中にはそうした奴もいる」
「そうですよね」
「運の悪い奴がな」
「俺運凄く高いんですけれど」
和真は自分のステータスから言ってきた。
「それでもですか」
「ああ、どうも悪い星も一緒にいてな」
「確かに運はいいです」
半兵衛が見てもだった。
「ですがそれで厄介ごとが避けられるか」
「運がいいから助かるだけかよ」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「運がいいことと厄介ごとが来ないことはです」
「別か」
「和真さん達の場合はそうかと」
「難儀だな」
「それはそれで厄介だな」
昴が見てもだった。
「俺もそれだと困るな」
「お前でもだよな」
「ああ、まあ俺は運がなくてもやっていけてるしな」
死に戻りの能力については内緒である。
「いいけれどな」
「お前はそうなんだな」
「まだな、けれど和真はな」
「これが中々大変なんだよ」
「そうなんだな」
「しかし運がいいだけましだろ」
ねずみ男が言ってきた。
「俺も悪運で生きていってるしな」
「お主は確かにそうじゃな」
目玉の親父も頷くことだった。
「悪運が凄いのう」
「親父もそう思うだろ」
「それで生きているところがあるな」
「そうだよな」
「幾らでも厄介ごとが来るがな」
「それでも生き延びていってるしな」
「それならのう」
ねずみ男のそうしたところを見ると、というのだ。
「悪運が強いと言える」
「それでその悪運でな」
「お主は生きておる」
「それが助かってるぜ」
「これでこの人結構憎めないのよね」
こう言ったのはリリィだった。
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