第四百八十四話 呉越同舟に非ずその四
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「何もされてないですし」
「こいつ金に汚くて勝負で買収もするから」
「それは確かに悪いことですけれど」
「それでもなの」
「今は何もしていないですね」
「確かに」
もももその通りだと答えた。
「今はしていない」
「だったらいいですよ」
何もしないというのだ。
「金属バットで殴り殺すとか」
「しないのね」
「はい、俺達にも何もしていないですし」
「確かに如何にもって外見だけれどね」
信奈は叡山のその容姿を見て述べた。
「別にね」
「これといってなの」
「ええ、今は何もしていないのなら。あとスサノオに寝返らないでしょ」
「金の話一切ねえからな」
叡山は腕を組んで言い切った。
「それで何でつくんだ」
「じゃあお金出してきたらどうするのよ」
「俺は金は好きだが自分で儲ける主義だ」
そこは断った。
「だからな」
「スサノオにはつかないのね」
「ああ、自分で働いて儲ける」
その様にするというのだ。
「だからだ」
「スサノオにはつかないのね」
「絶対にな」
断言であった。
「あいつは料理も食わねえがな」
「というかあの外見でどうして食べるのだ」
官兵衛はこのことを指摘した。
「骸骨だぞ」
「他の姿の時もあるわよ」
このことは寧々が指摘した。
「けれどその時もね」
「食べないのだな」
「そうする必要がないみたいだから」
それでというのだ。
「どうやらね」
「そうなの」
「ええ、だから」
それでというのだ。
「私達もね」
「間違ってもスサノオにはつかないな」
「それに人間であることから戦いを挑まれているから」
「食戟と同じだ」
叡山はこの時は真顔で言い切った。
「それでどうしてあいつにつく」
「食戟なら倒すまでよ」
寧々はこうも言った。
「それだけのことよ」
「好きなだけ来い」
叡山は今度はサングラスに手を当てて鋭い目を光らせて言った。
「何度でも叩き潰してやる」
「そういうことよ」
「倒せばいいから」
イカロスはこう言った。
「私も戦う」
「そういうことね」
「そうしてこれまでも戦ってきたから」
「これからもなのね」
「そうして戦っていく」
「そうよ、折角魔王も倒してほっとしていたのよ」
アクアは怒った感じで言ってきた。
「それで何で今も戦ってるのよ」
「それであんたもなのね」
「戦っているのよ、呑気に暮らせると思ったら」
それなのにというのだ。
「あっちの世界でもこっちの世界でも暇にならないのよ」
「しかし何で俺達急がしいままなんだ」
和真も首を傾げさせながら言ってきた、それで腕も組んでそのうえでこんなことを言うのであった。
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