第四百八十四話 呉越同舟に非ずその二
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「出来るものじゃないわ」
「俺は無理だな」
「私もよ、あの人以外にもね」
「色々な人がいるな」
「そうよね」
「ただです」
ここで半兵衛が言ってきた。
「私が私なのか」
「ああ、わからなくなるよな」
「そうですよね」
「あんまりにもそっくりでな」
「私自身とお話している様で」
「そう思えてきてな」
義晴は自分もなので半兵衛の言っていることがわかった、それで彼女の言葉に頷いてそうして彼女に応えた。
「わからなくなるよな」
「私が私なのか」
「ええと、僕きゅうべえだったかな」
信行が実際にそうなっていた。
「ええと、サフィで秀吉さんで。あれっ、優子さんだったかな」
「本当にわからなくなっているわね、あんた」
信奈は弟のその言葉を聞いて言った。
「実際あんたそっくりさん多いしね」
「はい、何かわからなくなってきました」
「そうよね、長政もね」
今彼女はケーティーと話している。
「わからなくなってるかもね」
「本当に混乱します」
「そっくりさんが多いとね」
「どうしても」
「安心しろ、誰でもそうなる」
ターニャが信奈達に言ってきた。
「私も実際にだ」
「自分が誰なのかなのね」
「今もわからないからな」
「私自分がターニャさんか」
まどかも言うことだった。
「タツマキさんか誰かって」
「わからなくなるのね」
「はい」
信奈に答えた。
「本当に」
「何か私もよ」
信奈自身もだった。
「自分を間違えそうになるわ」
「そっくりさんとお話していて」
「それは誰でもなのね」
「そうだと思います」
「だから安心しろ、誰もがだ」
またターニャが言ってきた。
「何度私自身をまどかや静乃と思ったか」
「自分でもわからなくなるのね」
「そうだ、だがそうしたことがあってもな」
ターニャは微笑んでこうも言った。
「信頼出来る面子でだ」
「それでなのね」
「仲良くやっていける、あとだ」
「あと?」
「君達はお茶が好きだな」
「ええ、かなりね」
信奈も否定しなかった。
「好きだけれど」
「そうだな、私はコーヒー派だからな」
「お茶でなくてなの」
「このことが覚えておいてくれ」
「わかったわ、あんたはコーヒーね」
「そうだ、覚えておいてくれ」
「ううむ、ここまで個性的な者達が集まるとは」
義景は純粋に唸った。
「物凄いことだな」
「ああ、しかし悪い奴はいないな」
直家はこのことをもう把握していた。
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