第30話
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ためだったんだな」
「まあな、でもそんなのは関係ねえ。今の悟林はセルを完全に上回っている。全てな」
「そうか…俺は悟林のためと想って反対したが…あいつの成長を信じてやれなかった…」
「す、凄い…あれが悟林さんの本気…!」
トランクスは過去の師匠のフルパワーに驚く。
「………」
驚く周囲を他所に悟飯は何も言わずに複雑そうに悟林を見つめていた。
悟林は何度吹き飛ばされても殴り掛かるセルの攻めを受け流し、逆に手痛い反撃を浴びせる。
鳩尾に悟林の鉄拳が叩き込まれ、怯んだ隙に強烈な回し蹴りが炸裂し、セルを吹き飛ばす。
「複雑か?」
「え?」
隣から聞こえてきた声に振り返ると、カプセルコーポレーションによって修理された人造人間16号が隣に佇んでいた。
「お前の姉があれほど強大な力を躊躇することなくセルにぶつけている姿が複雑か?俺はデータでしか孫悟林のことは知らんが、お前達の姉弟仲が悪くないのは分かる。お前に対して優しい姉が悪人とは言え一方的に力を振るうことが複雑なのだろう?」
「……」
16号の言う通り、それは図星だった。
時々からかってくることはあっても自分にとって悟林は優しい姉であった。
だからこそ、何の躊躇もなくセルに強大な力をぶつける姉の姿がまるで自分の知る姉ではなく戦闘民族のサイヤ人のように見えて嫌だった。
もしかしたら母親であるチチが超サイヤ人を嫌う理由は金髪以外にもこれが原因なのかもしれない。
超サイヤ人に変身すればまるで地球人の血が混じろうが、戦闘を好むサイヤ人であることに変わりはないと言うことを突き付けられているような。
次の瞬間、16号の大きな手が悟飯の頭に乗せられた。
「じゅ…16号さん…」
「孫悟飯…正しいことのために闘うことは罪ではない。セルのように話し合いなど通用しない相手もいるのだ。お前の気持ちは分かるが、守るためには闘わなければならないこともある。奴にとってはお前の守りたい存在も取るに足らない存在だ。邪悪な存在から守るためには優しさだけでは何も守れない。相応の力が必要だ。その相応の力が今の孫悟林なのではないか?」
「……はい」
「力に善悪などない。使う者の心によって決まる。お前の姉は正しいことのために使っている…俺にはそう見える」
「…16号さん……ありがとうございます…」
16号に礼を言うと悟飯は再び悟林とセルの闘いを見た。
闘いの流れは完全に悟林に向いており、追い詰められたセルは起死回生の気円斬を放った。
「はあっ!!」
悟林は難なく気円斬の面の部分を殴ることで粉砕した。
「お、己っ!!これならばどうだ!!魔貫光殺砲ーーーっ!!!!」
「そんな猿真似が通用す
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