第21話
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「悟林さん、今日は悟林さんに報告があります」
過去から帰還し、ようやく一段落ついたトランクスは自分の初めての師匠である悟林の墓に報告をしに来たのだ。
悟林と悟飯が話してくれた悟空が言っていた通りの頼もしい人であったこと。
悟林から聞いていた通りベジータは善人ではなかったが、とても誇り高い人だったこと。
悟林と悟飯の師匠であるピッコロや仲間であったクリリン達のことも。
「あたし達がドラゴンボールを使わなかったら…」
「いや、気にしなくていいさ。君達が願いを叶えなくてもきっと間に合わなかった。」
悟林に逃がされた悟飯が願いの現場に駆けつけた直後に神龍が消えてしまったのだ。
どのみち間に合わなかったのだ。
寧ろ彼女が願いを叶えたことでトランクスに自分達以外の支えが出来たのだから良かったのだろう。
姉の悟林が死んだ後も彼女はトランクスを支えてくれたのだから感謝しかない。
悟飯とトランクスの成長もあり、善戦は出来る程度にはなったが、まだまだ超えるには至らない。
奴らを倒すには善戦出来る程度では駄目なのだ。
それだけに姉の強さが理解出来てしまい、目標はまだまだ遠いと悟飯に思わせた。
「せめて俺があの時、一緒に修行していたら姉さんは今でも生きていたんだろうか…?」
「悟飯さん、そんなに自分を責めないで下さい。」
女性がそう言うが、悟飯の表情は変わらない。
父が病気で死んだショックで塞ぎ込んでいた自分とは対照的に姉は勉強をさせられながらも修行や悟空がチチに説教されないために家族全員で作った畑の作業に打ち込んでいた。
何て薄情なんだろうと憤ったが、姉は自分よりも地球や自分達の置かれた状況が分かっていたのだろう。
もう地球には頼れる悟空がいないのだから残された自分達がやらねばならない。
姉が自分を修行や畑作業に誘わなかったのは自分が塞ぎ込んでいたのもあるだろうし、自分の学者になりたいと言う夢を尊重してくれたからだ。
けど、もう地球には父も姉もいない。
もう2人の後ろに隠れることは出来ない。
父や姉の代わりに地球を救わねばならない。
とりあえず修行をしなければ、最低でも地球に帰還した時の父親くらいの強さにならなければ。
過去の父も姉も強くなるだろう、あの2人は目標があればどんどん強くなる人達だから。
自分が守らなければ、父や姉の代わりにならなければ。
報告を終えたトランクスは立ち上がると、悟飯達と共にパオズ山を去っていくのであった。
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