暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
ライバルたち
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はない。つまり選手たちが自分で考えて行動に移したということ。

(下級生にもいい子たちが入ってきたわね。ただ、うちの子たちも負けてないけど)

















カキーンッ

外野の頭を越えていく大きな当たり。それを放った茶髪の少女は快足を飛ばし三塁に滑り込むことなく到達する。

「ナイバッチ美咲(ミサキ)!!」

ベンチからの声に手を挙げて答える少女。それを打たれたマウンド上にいる少女は大量にかいた汗を拭いながらボールを受け取る。

菜々(ナナ)、次から行くぞ」
「は〜い。肩作っておきま〜す」

監督からの指示を受けてブルペンに向かう桃髪の少女。それを見た守っている選手たちは残念そうな顔を浮かべていた。

(噂の吉永(ヨシナガ)を使ってくるのか。東京の四強、日帝大付属の絶対的エースを見れるだけでも収穫と考えるか)

スコアボードを見ながら深いタメ息をつく相手チームの監督。すでに試合は5回の表に入っており、得点は11対3と大きく離されている。

(うちが立ち上がりをうまく切り抜けられなかったのが原因だけど、ここまで全員が迷いなく振ってこれるチームもなかなかないよな)

都大会秋、春と続けて決勝に進出していることもあり実力は言うまでもない。それは他県の高校にも知れ渡っており、ハイレベルな戦いになる関東大会でも警戒すべき高校とされているのだ。

(東英に日帝大……次いで明宝と翼星(ヨクセイ)か。この四強がいるんじゃ東京は激戦区になるわけだ)

毎年優勝争いをしている東英と日帝大付属。優勝にこそ手は届いていないがベスト4に名を連ねる明宝。この秋と春は東英、日帝大付属と当たってしまいベスト4に入ることができなかったためシード権を取ることができなかったが実力には定評のある翼星学園。他にも力のある高校が多い東京都はレベルが一つ抜けている。

(今日は負けたけど、夏勝ち抜いてきたらリベンジしてやる。この負けを無駄にはしない)

三塁走者が還りさらに開く点差。一向に緩む気配のない敵の攻めに男は諦めたようにベンチへと腰を下ろした。















ガキッ

力ない打球がショートへと転がる。それを捕球したロングヘアの少女は流れるようにセカンドへとボールを送り、受け取った小柄な少女も洗礼された動きで一塁へと送球。楽々とダブルプレーを完成させていた。

「サンキュー!!」
「ナイピッチ!!」

ベンチに戻りながらグラブでハイタッチをする選手たち。それを拍手で迎える黒髪ボブのメガネをかけた女性の周りに選手たちが集まり円陣を組む。

「いい守備が出来たね。この流れを打撃に繋げていこう」
「「「「「はい
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