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笑顔の妹は店頭に
第二章
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「お店としては」
「私が?」
「もっと言えばあんたみたいな娘がね」
「お姉ちゃんより落ちるのに」
「それでもよ、じゃあいいわね」
「アルバイトするならなの」
「うちで働きなさい」
 こう言って履歴書を出した、晶紀もそこまで言うのならとなってだった。
 その履歴書を書いて自分の写真も貼った、こうして晶紀は玲奈が店長を務めているファッションブランドの店で働くことになったが。 
 玲奈は初日晶紀にいきなりこう告げた。
「あんたは店頭にいなさい」
「そこに?」
「そう、出来るだけお店の入り口にいてね」 
 妹に強い声で話した。
「それで笑顔でいるのよ」
「笑ってればいいの」
「そう、にこにことしてなさい」
「あの、お仕事は」
「これから教えるからね」
「そうしながらなの」
「兎に角店頭によ」
 そこにというのだ。
「いなさい、いいわね」
「そうしていいの」
「いいの、じゃあいいわね」
 こう言ってだった。
 玲奈は晶紀を店頭に立たせた、すると。
「お客さん増えましたね」
「入る人増えました」
「それで売り上げも伸びてますね」
「そうなっていますね」
「ええ、狙い通りね」
 晶紀が来て一ヶ月程してだ、玲奈は店員達に述べた。
「これは」
「狙い通りですか」
「そうなんですか」
「店長さんの」
「そうなんですか」
「晶紀を採用したことがね」
 妹である彼女がというのだ。
「まさによ」
「狙い通りだったんですか」
「そうだったんですか」
「そのことが」
「ええ、確かにあの娘はお顔もスタイルもいいけれど」
 それでもというのだ。
「私達程じゃないわね」
「大学一回生ですね」
「十八歳ですよね」
「それ位ですよね」
「整っていてもね」
 その外見はというのだ。
「そうよ」
「まだ高校卒業したてで」
「大人の趣はないですね」
「まだこれからですね」
「これからの娘ですね」
「メイクやファッションもね」
 こうした店に必須のスキルもというのだ。
「まだまだよ、けれどね」
「それでもですか」
「妹さんにはありますか」
「いいものが」
「それで採用されたんですね」
「そうよ、それでお店の前に立たせてもいるのよ」
 そうもしているというのだ。
「敢えてね」
「まだまだこれから」
「大人になっていなくても」
「こうしたお店のスキルはこれから身に着けるものでも」
「それでもですね」
「お店の前に立ってもらう理由があるんですね」
「それは笑顔よ」
 これだとだ、玲奈はその晶紀を見つつ他の店員達に話した。
「あの娘の笑顔見たでしょ」
「はい、凄いですね」
「凄くにこやかで明るくて」
「惹き付けられますね」
「そうした笑顔ですね」
「あの笑顔
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