第四章
[8]前話
「あのダイヤのお話は妙にです」
「創作が入っていますね」
「何故か呪いのダイヤになり」
そうなってというのだ。
「祖先もです」
「その中でそう言われていますね」
「ですが真実は違いまして」
「そうなっていますね」
「左様です」
こう話すのだった。
「あのダイヤは呪いのダイヤではなく」
「ご先祖もですね」
「中にはルイ十四世が亡くなった時にパリで大金を使い果たして落ちぶれたとありますが」
ダヴィニエ、彼がというのだ。
「ルイ十四世が亡くなる何十年も前にです」
「ダヴィニエ氏はですね」
「今お話した通りです」
「お亡くなりになっていて」
「しかも八十四歳ですから」
その年齢で亡くなっていてというのだ。
「もうです」
「大往生ですね」
「はい」
「昔ですから尚更ですね」
「医学の発達していなかった時代で」
今と比べてというのだ。
「そうですからね」
「もう大往生ですね」
「今でもそう言えて」
「当時は尚更ですね」
「そうですね、ですから」
「ホープダイヤの呪いはですね」
「先祖には関係ありません」
あると言われているがというのだ。
「全く」
「犬に噛まれてもいないですし」
「ロシアで普通に亡くなっています」
長い満ち足りた人生に満足してというのだ。
「そうでした」
「そして他の関係者も」
「ルイ十四世もそうでしたし」
彼もというのだ。
「そして他の人も」
「調べるとですね」
「怪死した人はほぼいないので」
「あのダイヤの呪いはですね」
「伝説だと思います」
そうだったというのだ。
「その実は」
「伝説であり」
「真実ではないかと」
「ご先祖から思われるのですね」
「はい、そう思います」
こう言うのだった、子孫の真実から。
ホープダイヤが呪われているという話は有名である、だがそれはどうも伝説であり真実ではない様だ。関係者達は皆怪死したり不幸になったというが調べると実はそうではない、誰かが話を面白くする為に創り出したものであろうか。このダイヤは今はスミソニアン博物館に眠っている。人々の話を聞いてどう思っているかはわからないが今もそこにある。
死んでいない 完
2021・9・15
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