第八話 悪い男の見分け方その十一
[8]前話 [2]次話
「それなりのよ」
「下地が必要なのね」
「よくお飾りとか傀儡と言うけれど」
美奈代は今度はこちらの話をした。
「それになるにもね」
「下地が必要なの」
「ある程度のね、座っていて他の人に任せる」
そうすることもというのだ。
「それなりのものが必要なのよ」
「座っているだけでも」
「そうよ、勝手に動き回って出鱈目ばかりする奴なんて」
それこそというのだ。
「傀儡もね」
「出来ないのね」
「実際にそうした総理大臣いたでしょ」
「ああ、あの変な目で鳥みたいな名前も」
「あれね」
姉は吐き捨てる様に言った。
「ああいうのはね」
「お飾りにもなのね」
「なれないわよ」
そうだというのだ。
「とてもね」
「そこまで酷いのね」
「自分がお飾りとわかってね」
このことを把握してというのだ。
「判子押すだけでもね」
「ある程度の能力が必要ってことね」
「自分の役割を理解しないと出来ないでしょ」
「お飾りも」
「そう、お飾りだってね」
自分をというのだ。
「それで判子を押す」
「決裁のそれね」
「誰かに担がれていても」
「判子押すだけでもなのね」
「自分の立場や役割を理解していないと無理なのよ」
「そうなのね」
「三国志の劉禅さんだってそうよ」
美奈代は三国志ファンの間で色々言われている人物も例に挙げた。
「無能とか言われてるけれど」
「ゲームだと能力低いわね」
「それでも孔明さんや他の人信頼して政治任せてたでしょ」
「蜀って三国で一番弱かったけれどね」
「それで四十年もったし大きな内乱起こってないのよ」
その治世の間というのだ。
「即位してすぐに南蛮であったけれど」
「それ位ね」
「最後まで国はまとまってたのよ」
「無能って言われていても」
「自分の能力のことわかって」
そしてというのだ。
「これはっていう人に任せてね」
「判子押していて」
「四十年もったのよ」
三国で一番国力の低かった蜀がというのだ。
「それだけでもね」
「お飾りでもなのね」
「相当よ、これで判子も押さないで完全に何もしなかったら」
明の万暦帝がそうであった、その在位の間数える程しか朝議を開かず政の決定も欠員の補充も行わず国政は長い間機能麻痺に陥り国は滅亡の種が確実に撒かれた。
「国はすぐに潰れたわよ」
「そうなっていたのね」
「そう、それでさっきの鳥みたいな名前の元総理ね」
「あれね」
「あれはもうね」
「劉禅さん以下ね」
「総理していた時もその後も勝手に動き回ってるでしょ」
この輩の話もするのだった。
「好き勝手言って。責任も理解しないで」
「責任取らないで」
「無責任より酷いわ」
こう言うのだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ