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ハッピークローバー
第八話 悪い男の見分け方その八

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「そんな奴はね」
「自分が幾ら好きでも」
「愛情を向けてもね」
 美奈代は強い声で話した。
「自分はね」
「愛情を向けないのね」
「自分しかないから」
「自分だけが好きなのね」
「そして自分のことしか考えないから」
「自分しか愛さないのね」
「そう、だから好意や愛情を注いでも」
 例えそうしてもというのだ。
「それで真心や誠意を見せてもね」
「何とも思わなくて」
「ただ利用して」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「利用し尽してなのね」
「ポイよ」
「捨てるのね」
「そんなことをしても良心が痛まないから」
「というか良心ないとか?」
 富美子はビールを飲みつつ顔を顰めさせて言った。
「そんな奴」
「ない奴もいるわよ」
 実際にとだ、美奈代も答えた。
「そうした奴には、というかね」
「そういう奴も多いのね」
「そんな奴の中にはね」
「良心もないの」
「そして恩も感謝も感じないから」
 何をしてもというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、そんな奴はね」
「最初から好きにならない」
「あんたの友達が好きになりそうになっても」
 それでもというのだ。
「いいわね」
「注意することね」
「そんな奴に惚れたら大変だしね」
「自分が不幸になるのね」
「何かとしても」
 自分がというのだ。
「一切ね」
「感謝もしないで」
「搾り取るだけ搾り取ってポイなんてする奴はね」
「好きになっていいことはないから」
「注意するのよ」
 友人にもというのだ。
「いいわね」
「一華達がそうなっても」
「そうよ、まあしかしね」
「しかし?」
「それでも引っ掛かる奴いるのよね」
 美奈代は溜息混じりにこうも言った。
「世の中には」
「そんな奴に」
「どうしようもない屑に惚れる奴がね」
「いるのね」
「それって馬鹿だけれどね」
「馬鹿だから屑に惚れるのね」
「そう、何処がいいのかわからないけれど」 
 それでもというのだ。
「そんなのに惚れてね」
「不幸になるのね」
「政治家でもいるしね」
「政治家って」
「学歴詐称にDVに婦女暴行に」
 こうしたことをする様なというのだ。
「どうしようもない奴にね」
「惚れてなの」
「噂だけれどね、旦那さんと子供もいるのに」
 それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもなの」
「そう、人として」
 まさにというのだ。
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