暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第六十七話 春休みが終わってその三十二

[8]前話 [2]次話
「教会や布教所はどうしようもないからね」
「今ではそうですね」
「そりゃ昔は違ったけれどね」
「車が普及するまでは」
「それまでは皆歩いていたよ」
「そうでしたね」
「ある会長さんは毎日牛を曳いて大教会に行ってたよ」
 このお話は私も聞いています。
「車が普及するまではね」
「時代を感じますよね」
「千里ちゃんと知ってるお話だよね」
「はい」
 私もそうだと答えました。
「そのお話は」
「そうしたお話もあったしね」
「昔はですね」
「車がなくてもね」
「どの人もおみちを進んでいましたね」
「うん、ただね」
 それでもというのです。
「今は車があるから」
「車がないと駄目になりましたね」
「そうなったよ、だからね」
「免許も必要ですね」
「ないとね」
 そうでないと、というのです。
「現実どうにもならないからね」
「免許は必須ですね」
「早いうちに取っておくべきだよ」
「わかりました」
「それで彼も載せてあげたらいいよ」
「彼って新一君ですか」
「絶対に喜ぶからね」
 だからとです、杉浦さんは私に笑って言ってきました。
「そうしてあげるといいよ」
「あの子をですか」
「そうしてあげたらいいよ」
「あの子乗せたら」
 私は想像しました、私が運転する車にそうするとです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ