第十幕その十一
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「あの人は凄いんだよね」
「私も思うよ、私も言葉遊びには興味があるしね」
だからだというのです。
「お手本にとね」
「考えているんだ」
「そうなんだよ」
こうドードー鳥に答えました。
「私も」
「言葉遊びか」
前ノーム王はそのことに興味を持ちました。
「詩にしても駄洒落にしても」
「そう、キャロルさんはそちらも上手なんだ」
「子供が好きで数学や物理もで」
「そしてなんだよ」
「言葉遊びもだね」
「いつも紅茶を飲みながら」
そうしつつというのです。
「楽しんでいるんだ」
「成程ね、一度会ってみたいね」
「そうしたらいいよ、想像力も豊かでね」
このこともあってというのです。
「あの人もまたオズの国に来るべくして来た」
「そうした人なんだね」
「そうなんだよ」
「成程、では」
あらためて言う前ノーム王でした。
「キャロル氏にもだよ」
「会うね」
「そうするよ、旅を続ける中で」
「そうしたらいいよ」
「是非ね」
「ううむ、したいこと好きなことがどんどん出て来て」
前ノーム王は両手と両足をまるでダンスを踊る様に動かして言います、気分がよくなってそうしているのです。
「わしは楽しくて仕方ないよ」
「僕もだよ」
ドードー鳥も言ってきました。
「オズの国にいるとね」
「そうなるんだね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「この国にいてね」
「いいんだね」
「これこそ幸せだよね」
こう前ノーム王に言うのでした。
「本当に」
「確かに」
前ノーム王はドードー鳥の言葉に頷きました。
「わしもそう思うよ」
「そう言う貴方も幸せだね」
「幸せだよ、しかしこれ以上ないと思っても」
その幸せがというのです。
「これがね」
「思ったその傍からだね」
「もっと幸せになるから」
だからだというのです。
「凄いものだ」
「全く以てそうだよね」
「そう思う、お前さんも同じというと」
「何かな」
「どうもわしもお前さんと気が合いそうだな」
ドードー鳥に笑って言いました、それも気さくそうに。
「これは」
「僕もそう思うよ」
「ではわし等は友達になれるな」
「そうだね」
「わしはずっと友達なんていなかった」
王様だった時はです。
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