第十幕その七
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「だからだよ」
「察しがつくんだな」
「不思議の国も鏡の国もね」
アリスにまつわるどちらのお話もというのです。
「知ってるからね」
「それでだな」
「おおよそにしろね」
「そうか、じゃあそいつと会ってもな」
「仲良くだね」
「そうしろよ、おいらはこれから昼寝するからよ」
ここで欠伸をして言うのでした。
「そうするからよ」
「貴方も猫だからお昼寝は好きですね」
「食うことも好きでな」
そうしてとです、今度はクッキーに答えました。
「そしてな」
「寝ることもなんですね」
「そうさ、じゃあな」
「はい、それじゃあ」
「また会おうな」
こう言ってでした。
チェシャ猫はお昼寝に入りました、皆はそのチェシャ猫と別れてそうしてでした。
再び歩きはじめました、暫く歩いていると一行の前にダークブラウンの羽毛で曲がった嘴と丸い目、丸々と太った身体でよちよちと歩く鳥が出てきました。
その鳥を見てです、前ノーム王は言いました。
「あの鳥が」
「そう、さっきチェシャ猫君が言っていたね」
「彼の友達か」
「そうだよ」
キャプテンが答えます。
「ドードー鳥だよ」
「やはりそうか」
「太っていていてね」
そうしてというのです。
「飛べないんだ」
「そうなんだね」
「だからね」
それでというのです。
「ああして歩いているんだよ」
「ふむ、地下にはいない鳥だよ」
「そうなんだね」
「これまた面白い鳥だよ」
こうも言うのでした。
「好きになったよ」
「それは何よりね」
ビリーナも言いました。
「私もあの鳥好きなのよ」
「そうなのかい」
「同じ飛べない鳥だから」
それでというのです。
「好きなのよ」
「そうなんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「鶏よりずっと太ってるから」
ビリーナはこうも言いました。
「跳ぶことも出来ないのよね」
「ああ、鶏は跳べるからね」
「飛べないけれど」
それでもというのです。
「跳ぶことは出来るわよ」
「木の上に上がる位はだね」
「それは出来るのよ」
「そうだったね」
「けれどドードー鳥はね」
この鳥はといいますと。
「跳ぶこともね」
「出来ないんだね」
「そうなのよ」
「確かにそうね」
ポリクロームもドードー鳥を見て言いました。
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