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猫をおもちゃとして扱ったので
第一章

[2]次話
                猫をおもちゃとして扱ったので
 その話を聞いてチャン=シーリン黒髪と黒い目のアジア系の若い女性である彼女は憤慨して言った。
「酷過ぎません?」
「そう思うわね、貴女も」
「最低です」
 中年の茶色のショートヘアの女性ロザリー=リードに応えた。
「その子をですか」
「ええ、飼い主はね」
「運転中の車の窓から放り捨てたんですね」
「そうしたのよ」
「普通の猫でもです」 
 シーリンはさらに言った。
「そんなことをしたら」
「下手したら死ぬわね」
「実際その猫、雌ですよね」
「フィネガンっていうのよ」
「ニャア」
 ロザリーは自分が抱いているその猫を見つつシーリンに話した。
「施設にいた時はハニーケーキっていったそうよ」
「蜂蜜ですね」
「ええ、それでね」
 その猫フィネガンはというのだ。
「車から放り捨てられて大怪我をして」
「保護されてですね」
「施設で手当てを受けてそれは治ったけれど」
 それでもというのだ。
「今度はね」
「殺処分が決まったんですね」
「助かったらまたよ」
 再びだったというのだ。
「命の危機が訪れたのよ」
「不運が続きますね」
「けれどそこでね」
 ロザリーはシーリンに話した。
「私が施設に来てこの娘に出会ったの」
「そうですか」
「それでお話を聞いたの」
 その薄茶色と白の毛の雌猫を見ながら話した。
「この娘のことを」
「それで、ですね」
「私が家族に迎えないと危なかったし」
「保護したんですね」
「そうしたのよ」
「そうですか、ロザリーさんはその娘の救い主ですね」
「そうなっているのなら嬉しいわ、これからもね」
「その娘と一緒にですね」
「暮らしていくわ」 
 笑顔での言葉だった、そうしてだった。
 二人でフィネガンと楽しく遊んだ、今の彼女はとても幸せそうだった。
 シーリンは動物病院で働いている、そしてこの時彼女は暗い顔になっていた。
「あの、それは」
「酷いね」
「十六年ですよね」
 シーリンは獣医のマイク=ホージー一八〇近い背で痩せている面長の顔のアフリカ系の彼に言った。
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