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絶撃の浜風
外伝 赤城編 01 ミッドウェーと回想
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ン」を中心とした連合艦隊であったが、規模ははるかに劣っていた

 そのため、ターゲットを一航戦の空母機動部隊に絞り、戦力を一点集中してこれを叩くべく虎視眈々と待ち伏せていたというのが真相であった



 加えて、こんな事実もある

 運命の6月5日、第一・第二航空戦隊壊滅という悲劇の前日、そのはるか後方を航行中だった連合艦隊司令長官「本山六三八」座上の旗艦、戦艦「大和」にて、敵空母らしき呼び出し符号の電波を傍受していた
 にもかかわらず、大和の先任参謀「白島鶴人」大佐はこの事実を麻雲機動部隊に伝えず、情報を握りつぶしていた


 とにかく、全てがどうしようもなくお話にならなかった。いかに赤城擁する機動部隊といえど、指揮官がこれ程まぬけ揃いではひとたまりもなかったであろう


 世界最強と謳われた主力空母四隻を同時に失うという事実は、その後の戦況を大きく悪化させた。暗号通信を解読されていたとはいえ、この時点では連合国軍には零戦に対抗出来うる戦闘機もなく、空母も不足していた


 加えて、大日本帝国海軍のお家芸であった水雷戦、特に夜戦における水雷戦隊を壊滅に追い込んだレーダー照準射撃の実戦投入もまだ行われていなかった


 つまりこの時点では、大日本帝国海軍は連合国軍に圧勝できる可能性があった

 敵空母打撃部隊を壊滅させ、ミッドウェーを制圧すれば、米国との終戦協定も視野に入れる交渉も不可能ではなかった



そう、ミッドウェーは、絶対に負けられない戦いだったのだ


(2020年4月18日加筆修正)





艦娘になって少し落ち着いた頃、赤城はこう言ったという


「あの当時の事ですか?・・・・・まぁ、言いたいことは色々ありましたが、あれも運命だったのでしょうね。戦略・戦術面で無能な者が、より上の立場に立って采配を振るう・・・命を張って戦う立場からすれば、これはもう悪夢としか言いようがありませんね」・・・・と。


また、


「爆装でも何でも飛行甲板をぶっ壊して飛べなくしちゃえばいいじゃないですか。あの時点ではもう沈めるのにこだわってる段階は過ぎてましたよね。多聞さんの言うのは尤もですよ。」



そして更に言葉を続ける


「セイロン沖での空爆の時、いっそ被弾して麻雲中将もろとも私が沈んでいれば、少なくともミッドウェーで一航戦二航戦壊滅、なんて事にはならなかったかも知れませんね

加賀さんが生き残ってさえいれば・・・それに飛龍には多聞さんがいましたし、五航戦の子たちも編入すれば・・・・・なんて、思っちゃいますね」



ヒートアップしてきた赤城はとどめの一言をグサリ


「過ぎた事ですけど、第一戦隊はあんな後方で何する気だったんですか
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