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絶撃の浜風
外伝 赤城編 01 ミッドウェーと回想
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敵の工廠や補給施設を全く叩かず、それに敵空母を一隻も撃沈せず撤収するなど、赤城には到底受け入れられない事だった。これでは悪戯にアメリカを刺激しただけで、戦略的意味が全くない・・・・・いや、そもそもこんな遠く離れた太平洋に浮かぶ真珠湾を攻撃する事事態が、戦略的には何の意味もない・・・悪手でしかない

 悪手を選ぶなら、その中で最善の手を打つべきである。だが、麻雲は悪手の上に、最悪の選択・・・・悪戯にアメリカを刺激し、尚且つ反撃の機会を与えるという愚を行ってしまったのである

 時代は既に大艦巨砲主義の時代から、航空戦主体の時代へと移行しており、空母の保有数が、そのままその国の力を表していると言えた。そして空母と艦載機の建造費、そして飛行機乗りの育成は、その国の経済と人的資源に大きな負担となっていた。故に、敵空母を叩く事は、敵国に深刻なダメージを負わせる事に等しかった。空母のあるなしは、後の戦況を大きく左右するようになっていたのである


流石の本山もこの件について麻雲を強く非難したが、全ては後の祭りであった





 第三次攻撃隊出撃中止の報を受け、赤城はやり場のない怒りを覚えていた




「この戦いに出立する時、機動部隊の半数を失う覚悟で挑んだはずではなかったのですか?なぜ目先の戦果だけで満足するのです?・・・私は、真珠湾で討ち果たす覚悟で臨んでいたのに・・・・麻雲よ、臆したか!?」


(2020年4月18日加筆修正)



「空母を叩かずして、何のために私たちはこんなにも遠くまでのこのこやってきたというのですか!!」





 赤城の懸念は的中した。事実、この時取り逃がした空母の中に、後にスプルーアンス少将指揮下となり、ミッドウェーの立役者となるあの《エンタープライズ》がいた。真珠湾攻撃よりわずか半年後のミッドウェー海戦において、麻雲貴下の一航戦・二航戦は全滅という憂き目にあわされる事になるのである



 セイロン沖海戦でも、対空警戒警報も出さずに爆装を雷装に換装。その最中、ウェリントンに爆撃を受けるまで、間抜けなことに敵襲に気付きもしなかった
 運よく直撃は避けられたが、もし被弾していたら爆装や魚雷に引火・誘爆して大惨事になっていたかも知れなかった

 艦娘になってからの赤城の口癖、「慢心、ダメ!絶対!!」は、この時の事を指していた。だが、赤城の思いも空しく、麻雲中将は同じ轍を何度も踏む愚か者であった

(2020年4月18日加筆修正)




極めつけはミッドウェーへの奇襲戦である


(2021年12月26日 加筆)

 言うまでもないが、日本にとってミッドウェーは戦略的に何の価値もない島である。仮に占領したとしても守るに難しく、これ程遠くま
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