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絶撃の浜風
外伝 赤城編 01 ミッドウェーと回想
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赤城は、最後の最後まで最強の機動部隊旗艦であった。(同年4月18日・5月10日加筆修正)





2020年4月16〜17日加筆



 栄光の第一機動部隊・第一航空戦隊(通称一航戦)旗艦であった赤城だが、本山六三八連合艦隊司令長官は、航空戦に明るい山口多聞少将ではなく、海軍内の年功序列を理由に水雷屋上がりで航空戦の素人である麻雲忠三中将を空母機動部隊のトップに選んだ

 だが、彼を選んだ本当の理由は、小沢や山口、大西に比べ、本山にとって麻雲が最も御しやすいという、ただそれだけの事であった

彼が就任して以来、赤城たちの戦歴に暗雲が立ち込め始める



 現実問題として、航空作戦の実質的な判断は航空参謀の源田実が行っていたが、重要な局面において、その新任の機動部隊司令は稚拙で不可解な采配を採り、その最後の日まで、赤城たちを苦しめる事となる




《敵は叩くべき時に叩くべき相手を叩けるだけ叩く》



それが戦闘マシーンと揶揄され連合国軍を震え上がらせた赤城の矜持である


 赤城にとって、戦場は生き物である。時折垣間見える勝機を逃さず、叩くべき相手を徹底的に、二度と反撃出来ない位、それはもう徹底的に叩く。詰めの甘さが、自分の寝首をかく事になりかねない事を、彼女は戦場で嫌というほど学んでいた

(2020年4月18日加筆修正)


 だが、赤城と麻雲中将とではその考え方があまりにも相容れなかった。というよりもお話にならなかった。麻雲は、本山六三八の傀儡でしかなかったのである


(2021年12月26日 加筆)

 日本より一足早く、遠く大西洋で英国と戦っていた三国同盟の朋友ドイツとイタリアは、ドイツ軍のUボートによる通商破壊作戦により、英国の多くの資材を徹底的に叩き、兵站の面で追い詰めていた。そしてヨーロッパ連合国軍の主要国である英国とオランダの資材の多くは、英国の支配下にあったスエズ運河を通り、ビルマ、マレー、東インド、フィリピン、グァム、ニューギニア、ビスマルク諸島といった植民地から賄っていた

 海戦前から日本の方針ははっきりしていた。英国やオランダが支配するこの南方海域の制海権を確保し、両国の輸送艦を余さず沈める通商破壊である。大西洋においては同盟国のドイツ軍が、スエズ運河への通り道である地中海ではイタリア王立海軍が、そして資材の供給元である南方海域においては大日本帝国海軍がこれを行い、英国とオランダの音を上げさせギブアップさせる戦略であった。三国同盟のターゲットはあくまでも大英帝国とオランダであり、国民の多くが他国の戦争に介入する事を嫌悪しているアメリカを刺激しないよう、ソ連や?介石軍への支援の遮断などを細心の注意を払ってこれを行っていたのである



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