第六百四十四話 まずいものその三
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「そして今の料理もな」
「酷いか」
「ジャンクフードというが」
「違う意味でか」
「そう言われていたらしい」
本来は栄養価は甚だ疑問で食べ過ぎると身体に悪いものがそう言われていた、ただこの時代では栄養価も考慮されている。
「本物のだ」
「屑か」
「そういうことでな」
それでというのだ。
「まずいとな」
「連合軍の人達も言っていたか」
「そうだったらしい」
「まず過ぎてか」
「ビスケットもな」
このお菓子もというのだ。
「普通にだ」
「まずかったか」
「あの国もビスケットはよく食うが」
それでもというのだ。
「そのビスケットもな」
「まずかったか」
「そうだったらしい」
「ビスケットは失敗する食べものか」
商品として売ってとだ、タムタムは疑問を呈した。
「スーパーとかで売っているやつだな」
「イギリスのメーカーで作っているものを食うとな」
「まずかったか」
「これも連合軍の人達の証言だ」
「証言か」
「そうだ、証言だ」
それになるというのだ。
「兎に角な」
「それもまずかったか」
「そして紅茶もな」
「イギリスの代名詞じゃないのか」
「それがだ」
紅茶もというのだ。
「連合のものの方がな」
「美味かったか」
「鰊のパイも鰻のゼリーもな」
こうした料理もというのだ。
「まずかったとのことだ」
「鰊も鰻も美味いぞ」
「だから調理の仕方がだ」
これがというのだ。
「問題だ、鰊一匹丸ごとパイに包むか」
「そんな料理があるのか」
「これだ」
こう言ってだった。
タムタムは焼き鳥のお代わりをしつつ懐からスマートフォンを出した、そしてその鰊のパイを検索して画像を見せて語った。
「これだ」
「何だそれは」
焼かれた鰊が二匹丸いパイに包まれ頭と尻尾を出しているのを見て言った。
「素人さんが作ったものか」
「そう思うか」
「それが違うんだな」
「お店で売っているものだ」
「こんなもの連合で出したら怒られるぞ」
フランツは今度は羊のレバーを食べつつ言った。
「確実にな」
「そうなるな」
「お客さんにな」
「しかしイギリスではな」
「これがお店で出るか」
「連合軍の人達が興味本位で注文してだ」
そうしてというのだ。
「本当に出て来てだ」
「これがか」
「驚いたらしい」
「本当に出ているんだな」
「そしてこれが鰻のゼリーだ」
タムタムは今度はそちらをスマートフォンに出した。
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