第二百三十三話 後始末を進めその三
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「そうなるわ」
「そうなるか」
「こうしたものが全部一つなら」
「統一もたやすいな」
「それがね」
「この浮島でもだな」
「だから楽な筈よ」
東西の統一はというのだ。
「確かに東国と西国じゃ何かと違うけれど」
「それでもか」
「そうしたものが一緒ならね」
「そう考えたら始皇帝は凄かったな」
幸正は中国を統一したこの者の名前を出した。
「中国を統一してな」
「そうしてだったな」
「そうしたものを全て一つにした」
度量衡に貨幣そして文字をだ、言語は共通でありやり取りは出来たが文字にするとまた違っていたのだ。
「そしてだ」
「名実共にだな」
「中国を一つにした」
「そうだったな」
「色々言われているが」
史記からだ、司馬遷のこの書から始皇帝暴君説が出ている。
「しかしな」
「かなりの人物であったな」
「そのことは間違いない」
そうだというのだ。
「まさにな」
「そうだな」
英雄もそうだと頷いた。
「これが国家を一つにする最重要事項だが」
「そうであるとわかっていてだ」
そうしてというのだ。
「道の幅もだ」
「一つにしたな」
「法も整えたが」
それに加えてというのだ。
「さらにだ」
「そうしたことも推し進めた」
「急激な改革だったが」
「それでもだな」
「当然だった」
国家を一つにする為にはというのだ。
「まさにな」
「それはその通りだな」
英雄はまた頷いた。
「国は戦に勝って一つにした」
「それだけでは一つにならない」
「そうなる為のものが必要だ」
「それが度量衡に貨幣でだ」
「文字だな」
「その全てを一つにしてこそだ」
「ようやく一つになる」
まさにというのだ。
「そして事実だ」
「中国は一つになったな」
「それからも何度も分裂したが」
三国時代然り五胡十六国時代然りだ、南北朝時代も五代十国時代もそれに入る。中国はその歴史の中で何度もそうした時代も経験している。
「だがそうしたものが常に一つでだ」
「分裂してもな」
「一つになった」
「そうだな」
「そしてこの浮島もであります」
峰夫がここで言った。
「そうしたものは全て一つなので」
「色々違っていてもな」
「一つにすることは容易です」
「そうだな」
「ただ、油断をしますと」
峰夫はこうも言った。
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