第八話 悪い男の見分け方その四
[8]前話 [2]次話
「それからよ」
「それからどうするか」
「ハッピーエンドはね」
「ないの?」
「結婚して最後どうかじゃないの?」
姉はここで一本飲み終えた、そして。
もう一本出して開けてコップに入れつつ話した。
「金婚式もしてね」
「五十年ね」
「死ぬ時に幸せだった」
「そう思えばなの」
「ハッピーエンドじゃないの?」
「滅茶苦茶先ね」
「そこまでは私もわからないけれど」
それでもというのだ。
「兎に角ね」
「彼氏出来て終わりじゃない」
「そうよ、間違えて屑男彼氏にしたら」
姉はその場合も話した。
「大変でしょ」
「その場合は別れないと駄目よね」
「よくあの人には私が必要とかね」
「思ってもなのね」
「昔はダメンズって言ったけれど」
「ダメンズ?」
「駄目男を英語を交えて言ったものよ」
それがダメンズだというのだ。
「駄目と男の人、メンズね」
「それを合わせてなの」
「ダメンズ、昔はそう言ったのよ」
「そうなの」
「それでそのね」
「ダメンズを彼氏にしたら」
「働かない、お酒とギャンブルと女遊びで借金作る」
姉はそのダメンズの具体的な例を話した。
「しかも暴力も振るう」
「最低ね」
「こんなのと付き合ったらね」
間違ってもというのだ。
「大変でしょ」
「ええ」
その通りだとだ、富美子も答えた。
「そうなったら」
「そんな奴とは別れることよ」
「好きになっても?」
「好きになったら別れられないけれどね」
「幾ら酷い目に遭わされても」
「そう、好き嫌いってわからないから」
人のそれはというのだ。
「好きになるかも知れないけれど」
「それでもなのね」
「出来る限りね」
「好きになったら駄目なのよ」
「屑男はね」
妹にビールを飲みつつ話した、ビールは次第に回ってきていて風呂上がりの顔を徐々に赤くさせている。
「駄目よ、外見はよくても」
「中身が駄目なら」
「外見で惚れるなって言うでしょ」
「中身ね」
「それもぱっと見の中身よりも」
それよりもというのだ。
「確かなね」
「中身を見ることね」
「その人の本質をね」
それをというのだ。
「見ることよ」
「それが大事なのね」
「そう、もう暴力振るう様な奴はね」
「絶対によね」
「最初からよ」
「好きになったら駄目ね」
「屑男なんて好きになっても」
例えそうなってもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ