第一部 1977年
帰郷 その4
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キ達は、ある屋敷に、連れて出された
まるで大時代物に出てくるような広大な屋敷であった
数町歩ほどあろう庭には、手入れされた草木が生い茂る
恐らくこの国の支配層に近い人物であろうことは、察することが出来る
広い庭で、着物姿で、長髪の男と、例のビジネスマン風の男が立ち話をしていた
使用人に案内されると、榊が深々と礼をしたのを見て真似てる
壮年の男は、口を開いた
「榊君、半月前に、支那で拾って来た男というのは、彼かね」
榊は頷いた
「そうです」
男は続ける
「何でも、斯衛軍に入りたいと聞いたが、儂の方で出来なくもない」
男は、ビジネスマン風の男に声をかけた
「来年の夏ごろまでには仕上がるかね」
「翁、それは教育次第では出来るかもしれませんよ……」
翁と呼ばれた男はマサキ達を向いた
「脇にいる娘御は何だね」
「サブパイロットだそうです。詳しい話は……」
マサキが口を挟む
「おい、爺さん。俺をどうする気だ。それと美久は唯のサブパイロットではない。
こいつが居なければゼオライマーは動かせんぞ」
「ゼオライマーが無ければ、貴様らはその野望とやらも実現できまい、違うか」
《翁》と呼ばれた男は高笑いした
「抜かせ、小童共に何が判る。所詮、大型の戦術機一台ぐらいでどうにかなると思っているのか」
マサキの表情が険しくなる
「じゃあソ連の秘密基地破壊と、ミンスクハイヴを消したら、その時はどうする」
男は、なおも笑いながら答えた
「それ相応の態度を見せてくれれば、貴様の望み道理にしてやっても良いぞ」
周囲の人間は一様に困惑した様であった
その姿を楽しんでいるかのような男は、
「来年の暮れまでに結果を持ってこい。楽しみに待っているぞ」
彼は、そういうと屋敷の中に、従者たちと共に消えていった
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