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おっちょこちょいのかよちゃん
185 手袋と宝剣
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守備班も各々の道具の能力で戻って行った。さりは通信機を出して連絡した。
「こちら本部守備班、羽柴さり。アンヌ王妃って女を倒したわ。それから赤軍の丸岡って男もフローレンスが来て回収したわ」
『了解』
 各々から返事が来た。
「あのアンヌって人は結局どんな人なの?」
 さきこはテレーズに質問する。
「あの人は我が国だったフランスの王妃の一人です。生まれはスペインですが。フランスの政治を行っていたのですが、お母様と同様に市民の事を考えていなかったので可愛らしい女性と思われていましたが、それでも反感を買われたとか。あの人の姪が私と同じ名前だと思うと何か恥らしい・・・」
「同じ名前なのね」
「そういえば昔のフランスは市民はとても苦しんだって聞くな」
 長山も思い出すように呟いた。
「はい。貴方達が戦いましたお母様、アントワネットも同じく、自分は贅沢をする一方、国民の苦しい生活など顧みなかったのです」
「そうだったのね・・・」
「長山治さんと言いましたね」
「あ、うん?」
「フローレンスから聞いていますが、貴方のその賢さで一度赤軍に狙われたそうですね。あの赤軍の男もきっと貴方が狙いのかもしれません。お気を付けてください。貴方の賢さを赤軍に利用されると敵の世界の方が優勢になる可能性が高いのです。フローレンスもイマヌエルも貴方を藤木茂救出班に選抜しなかったのはその可能性を考えて本部の区域に置いていたのでしょう」
「うん、気を付けるよ・・・」
 長山は己も狙われやすい身であると改めて知るのだった。
(この宝剣とアンヌ王妃の手袋のぶつかり合い、激しいものだった・・・。ハプスブルク家やブルボン家との戦いはこのくらいかそれ以上の過酷なもの・・・)
 テレーズはアンヌ王妃の手袋と自身の宝剣の凌ぎ合いを振り返るのだった。

「奴等を倒したか・・・」
 山口達は護符の所有者からの報告を受けていた。
「エレーヌ、あのアンヌ王妃ってのが私達が倒した侯爵夫人ってのと関係あるの・・・?」
 すみ子は確認した。
「はい、アンヌ王妃はシュヴルーズ公爵夫人を側近として信頼していた者です」
「つまり、そいつを倒したから、その王妃が怨みを持って襲ってくるって事はもうないでやんすね」
「いえ、そのアンヌ王妃の家系もまだいるはずです。浮かれている場合ではありませんね」
「うん、そうよね・・・」

 かよ子達はさりからの報告を聞いてホッとした。
「本部守備班が赤軍とぶつかったのか」
「ああ、護符が狙われそうになったとな」
「でもあのお姉さんや長山君、無事だったんだね・・・。よかった・・・」
 かよ子はホッとした。
「まあ、私みたいにおっちょこちょいしない、か・・・」
 かよ子達は先に進むのだった。
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