02 マッドでサイコな女
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(2020年1月20日 2021年1月8日 1月13日 執筆)
浜風は大淀に連れられ、演習場地下にある工廠に向かっていた
大淀の話によると、この後簡単な面接と身体検査を行い、問題がなければ午後に行われる【始まりの艤装展開】と実技研修を受ける事になるらしい
とはいえ、つい先程自分が艦娘である事を知らされたばかりの浜風にとっては、何もかもが唐突すぎて、正直、困惑するばかりだった
(2021年1月15日 執筆)
ただ、自分を引率してくれている人が大淀であった事は、浜風にとっては僥倖であった
罵声や理不尽なシゴキばかり浴びせてくる人間しか知らなかった浜風にとって、自分を気遣ってくれる大淀の人柄はとても新鮮で、ちょっとしたカルチャーショックであった
浜風にとって驚きだったのはそれだけではない
大淀は、これまで浜風が祖母から聞かされていなかった重大な事実を教えてくれた
二年前のあの日、両親を事故で亡くしたその時から、自分は艦娘として生まれ変わっていたという事実・・・・
そしてそれを今の今まで知らずに過ごしてきたという事が、何よりも浜風を驚かせた
しかも・・・・・
そう・・・・浜風は、第二世代以降の艦娘としては、史上最年少の五歳で覚醒した、希有な艦娘だったのである
両親がつけてくれた「濱乃」という名前さえ(名付け親は祖母である)、「浜風」という聞き慣れない名前に変えられてしまった・・・・
だがそれは、艦娘としての濱乃の艦名・・・・・・《浜風》こそが、本当の名前であることを知った事・・・・
加えて言うならば・・・・本来であれば艦娘は軍艦時代と、艦娘時代、そして人として過ごしてきた全ての記憶を有しているのが普通であること・・・・
そして・・・・浜風は、軍艦として・・・そして艦娘としての記憶を失っている事・・・・
理不尽に慣れている浜風であっても、今日初めて知った事実は、その小さな胸に受け止めるには、あまりにも大き過ぎた・・・・・・・はずだった
普通なら・・・
2021年1月18日 7月29日 執筆
地下工廠へ向かう階段を降りていくと、地下三階からは広大な空間が広がっていた
眼下には、某鎮守府所属全艦娘の艤装が収められている艤装格納ブースが見下ろせた
それはまるで敷き詰められた石畳のように、縦横に広がっていた
「・・・・
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