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絶撃の浜風
02 マッドでサイコな女
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だった。優れた戦闘センスに留まるところを知らない戦術的思考、どこまでも純粋で真っ直ぐな心と不屈の闘志・・・阿武隈に見出された事で、その才能を開花させていた 



いずれも通常の艦娘の枠を大きく超えた、突然変異的な規格外の艦娘であった



 だが、浜風の場合はいずれとも違う



 そもそも、浜風は初代の没後、この70年の間ただの一度も覚醒していなかった。まるで艦娘として覚醒する事を拒むかのように・・・・。それが何故今頃になって、それも記憶を失い、そして僅か5歳の幼子の姿で現れたのか・・・・

 両親を失い、更に追い打ちをかけるように唯一の肉親である祖母から、おおよそ2年間に渡り虐待を受け続け、その果てに多くのステータスを失い、そして極めてアンバランスな・・・これまで誰も得た事のないような、桁外れの演算能力を、図らずも手に入れてしまっていた


 祖母の虐待がなければ、恐らくはこのような能力が発現する事はなかったであろう・・・だが、夕張からの報告を聞く限りでは、現状、浜風はこの強力な演算能力を生かせる器がない・・・・・





「一応、君にも言っておくけど、浜風の要望は受け入れられない。これは大本営の決定だ。無論、演習辞退も許可出来ない」




 無下もない提督の言葉に、夕張は別段腹を立てる様子もなく、普通に質問を帰す。実際、浜風の要望は軍組織が容認できるようなものでもないし、ポーラや、不知火の件を通して、提督の人柄はわかっている




「じゃあ、どうするんです? 多分このままだと、浜風にしわ寄せが行く事になるけど?」


「うん・・・・どうも、大本営としてはそれが狙いのようだね。出来るだけ早い段階で浜風をこちらに引き入れたい意向のようだ・・・・因みに、この件に関しては赤城さん達の耳には入れたくない・・・らしい・・・」


「・・・でしょうね・・・・相変わらず発想が糞ですねあの人達は! 浜風の身にもなってほしいわっ!」



歯に衣着せぬ夕張らしい本音であった



「立場上、僕の口からはどうこうは言えない・・・・ポーラの面倒も見ている君には申し訳ないが、浜風の事は、君にお願いしたい。必要な手続きとか、他に何か入り用なら言って欲しい。あと、君が浜風に何をしているか、いちいち報告しなくてもいいから・・・・君の裁量に任せる」


《・・・・それって、私の好きにやれって事だよね・・・?》


 いぶかしそうに提督の顔色を伺う夕張に対し、提督の斜め後ろで大淀がウインクしていた。恐らく大鯨から色々聞かされているのだろう




《・・・まったく、この二人は・・・・いい根性してるわ》




「言っておきますけど、本当に好きにさせてもらい
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