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アスカ 短編集
雨の日の日曜日は
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あるって事もわかる


『・・・いや・・・そういう意味じゃなくってさ・・・』


なんの躊躇もなく、僕はそう切り出す


ついさっきまでの僕だったら、多分何も考えずに『ごめん』って謝って彼女をイラつかせていたに違いない


別にいいわけするつもりではなく


単に・・・素直な僕の言葉を・・・君に伝えたかっただけ




『・・?・・・どういう意味よ?』


さっきまでの不機嫌はどこへやら


今までの僕とは違うリアクションに、君は気を惹かれたみたい


さも、『興味ありません』みたいなふりをして


横目でちらと僕のほうを見る君の仕草が愛らしかった



『・・・その・・・雨が降ってるって気付かなかったんだ・・・・』



『え?・・・どうして?・・・あんなに雨音を立ててるのに???』



不思議そうに、海の色をたたえた瞳で僕の顔を覗き込む


僕は、この瞳に弱い


吸い込まれてしまいそうなくらい、深くて青い・・・瞳


いつまでも、こうして君と見詰め合っていたい・・・


それだけで・・・僕はしあわせだった




『・・・だって・・・・君に夢中だったから・・・・その・・・』



『・・・え・・・?』



『・・・・・・・・』



『・・・・・・・・』



『・・・・・・・・』



『・・・・・・・・』



『・・・・あの・・・アスカ・・・!?』




覗き込んだ君の顔が


トマトみたいに見る見る真っ赤に染まってゆく


つま先から・・・ゴホン・・・耳たぶまで・・・全身が綺麗なピンク色に染まっていた



『・・バッ・・・バッカじゃないのっ!!』



そう言うのがやっとだった


口調こそいつもの憎まれ口だったものの、二の句を告げられずに口をパクパクしていた
































今・・・・僕らの置かれている深刻な状況は、僕のような人間にとっては大して不幸な事とは思えない


いや、むしろ好都合であったと言えるかも知れない


でも


アスカ・・・


君にとっては


輝かしい未来を永久に失ってしまった


最悪のシナリオに違いなかった




きみにとって不利なこの状況に



僕は・・・・甘えたくなかった



それは卑怯だと思ったから















『・・・ねえ・・?』


おずおずとアスカが口
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