第115話『遅延』
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チームのリーダーのぶつかり合いです!』
「ったく、プレッシャーかけすぎだろ実況」
「いいじゃん。あたしたちは"全力"で戦うだけだし」
「そうですね……久々に先輩の本気が見れそうで楽しみですよ」
頭を掻きながらため息をつく終夜に、月は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
能力を最大限生かすことのできる環境は整っている。こんな機会はそうそうない。終夜も心の中では戦闘が始まるのを今か今かと待ちわびていた。
『それでは──試合開始!』
ついに試合が始まった。泣いても笑ってもこれで決着。一瞬たりとも目は離せない。
開幕の合図と同時、いつものように終夜が指鉄砲を構えた。その一方で、なんと月も同じ構えをしており──
「弾けろ! "冥雷砲"!」
「輝け! "キラキラ星"!」
2人の指から放たれた漆黒の雷の弾丸と眩い光の弾丸がぶつかり合い、火花を散らして相殺する。
なんということだ。あろうことか、月は終夜とほぼ同じ技を使ってきたのだった。
……いや、違う。同じ技を使っていたのは月の方ではなく──
「なに終夜? まだ私のパクリ続けてたの?」
「人聞きの悪いこと言わないでください。これはもう立派な俺の技です!」
そういえば、終夜は月のことを師匠のようなものだったと言っていた。つまり"冥雷砲"は、彼女の技を模倣して生まれた技だとしても不思議ではない。本人は全然認めてないけど。
「こっちから行きますよ! "黒雷鳴"!」
「当たんないよ〜」
黒い稲妻が空から迸る。雷ということもあって、その発生は見切れたものではないはずだが、彼女はそこに落ちてくるとわかっていたかのように軽々と避けた。
「そらっ!」
「ほっ」
続いて黒雷で薙ぐような攻撃も、月は上体を反らして避ける。その身のこなしの軽さは風香に匹敵しているだろう。
だがそれだけじゃない。そもそも月は終夜の技を知っているはず。だからこそ、こんな初見殺しの発生速度を誇る技を避けることができるのだ。
「次はあたしの番よ! "星屑マシンガン"!」
「うおっ!?」
月が両手を前に構えると、彼女の周囲にたくさんの光の粒が浮かび上がり、その全てが終夜に向かって射出される。
星の力と聞いていたが、伸太朗と同じ光属性なのだろうか。
「……なーんて、対策してますよ! "夜の帳"!」
「へぇ、やるじゃん」
しかし、終夜は黒雷で作ったマントをたなびかせると、それを纏うように被って防御した。光の粒はその帳に触れると、バチバチと音を立てながら弾かれる。
なんてスタイリッシュな防ぎ方。あんな使い方ができるなんて、終夜の
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