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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第115話『遅延』
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けどって……」


医者が余程優秀なのか、はたまた結月の自然治癒力が高いのか。どちらにせよ、回復したならば良かった。
飛びつくほど元気が有り余ってるのは考えものだけど。


「それよりテレビで観てたよ! やっぱりハルトは強いよ! 凄い! 好き!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて!?」


感情の昂るまま力いっぱい抱きしめてくる結月。晴登の勝利する姿を見て、大興奮冷めやらぬ状態だ。
でもまだ病み上がりなのだから、はしゃぐのはやめて欲しい。


「それで、何で試合が中断したの? 時間を遅くする意味って?」

「あ〜それは……」


結月は首を傾げ、頭上に疑問符を浮かべていた。それは晴登の目下の疑問でもあり、答えはこれから得るつもりである。


「俺にもわかんなくて……。後で部長に訊いてくるよ」

「じゃあボクも一緒に──」

「結月はダメ。まだ休んでないと」

「そんなぁ……」


何度も言うが、結月はまだ万全の体調ではない。万が一に備えて、今日一日は安静にしてもらおう。

……すると、露骨に寂しそうな表情をするので、恥ずかしいけど頭を撫でてみる。


「ま、また後で来るから」

「えへ、えへへへへ」

「な、何だよ」

「なんでもなーい」


隠そうともしないにやけ顔に、こちらまで照れてしまう。何だこの可愛い生き物は。無性に抱きしめたくなる。

しかし、そこは心を鬼にして結月をベッドに寝かせると、晴登は部屋を後にするのだった。






時刻は18時。今度は晴登の部屋にて、簡易的なミーティングが行なわれることになった。内容は先程結月が気にした通り、なぜ試合が遅延したのかが主だ。


「部長、いい加減教えてくださいよ。遅くなった理由わかってるんですよね?」

「まぁな。推測の域は出ないけど」


晴登が終夜を問い詰めると、彼はようやく口を開いた。会場では先送りにされたが、これでようやく理由が聞ける。
終夜はどこから話したものかと、少し悩んでから話し始めた。


「まず、俺と星野先輩の能力(アビリティ)は知ってるよな?」

「えっと……部長が"夜雷"で、星野先輩が"星夜"でしたっけ?」

「あぁ。ここで注目して欲しいのが、どちらにも"夜"という属性が含まれていること」


属性、というのは能力(アビリティ)が持つ性質のことだ。主属性と副属性の2種類があり、それらは能力(アビリティ)名の2文字で表されると、入部したての頃に教わっている。
ここでの問題は、終夜と月が同じ属性の能力(アビリティ)を持っているということだ。しかし、どんな効果かは未だに知らない。彼の雷が黒い理由ではあるはずだが……。


「あ
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