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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
ハーケン会戦〜剣聖の策の始まり〜
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「……帝国政府によるとリベールへの”宣戦布告”ならば、本日の午前9時にグランセルの大使館に勤めているダヴィル大使に行わせたとの事です。」

「何……ッ!?」

「今日の朝に”宣戦布告”を行ったですって……!?」

「それもメンフィル帝国の件でアリシア女王陛下達――――――リベールに対して強い罪悪感を抱いているダヴィル大使に行わせただなんて……」

重々しい様子を纏って呟いたヴァンダイク元帥の話を聞いたその場にいる全員が血相を変えている中アガットとシェラザードは厳しい表情で声を上げ、エマは辛そうな表情で呟いた。

「馬鹿な……宣戦布告を行って僅か1時間でこれ程の大軍勢をエレボニアとリベールの国境に進軍させる等、どう考えても”宣戦布告を行う前に国境に軍勢を集めた”としか考えられん……!」

「せ、”宣戦布告を行う前に国境に軍勢を集めていた”って事は……!」

「……リベールへの侵攻は前から計画されていたという事か。」

「そ、そんな…………――――――学院長!学院長はご存じないかもしれませんが、内戦の件でメンフィル帝国が内戦の最中にユミルの件を理由にエレボニア帝国に戦争を仕掛けようとしていた所をアリシア女王陛下達――――――リベール王国がエレボニア帝国の大使であるダヴィル大使閣下の懇願を受けて2度もメンフィル帝国に開戦を思いとどまるように説得してくれたんですよ!?」

厳しい表情で呟いたミュラーの言葉を聞いてある事を察したマキアスは表情を青褪めさせ、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、アリサは悲痛そうな表情を浮かべてヴァンダイク元帥にある事実を教えた。



「無論その件もダヴィル大使から帝国政府に報告されている上、ダヴィル大使は大使自身が使えるあらゆる伝手を使って政府だけでなく儂を含めた軍の上層部達にも伝えておる。」

「ダヴィル大使閣下はそこまでして、学院長達にリベールはエレボニアにとっての恩人である事を伝えていたのですか……」

「その件を軍上層部達にも知ってもらう事で、藁にも縋る思いで政府や軍の関係者達からリベールへの侵略を思い止まる意見が出る事を願ってリベールの為に必死に行動したのだろうな、ダヴィル大使は……」

「その件を知ってもなお、学院長はエレボニアにとっては返し切れない恩があるリベールに侵略するおつもりなのですか!?そもそも”アルスター”の件にしても、”ハーメル”同様完全にエレボニア帝国政府による”冤罪”ですし、”ハーメル”の時と違ってアルスターの民達は全員無事に生き延びて今は”とある場所”に匿われているんですよ!?」

ヴァンダイク元帥が語った意外な事実を知ったラウラとアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟き、サラは厳しい表情でヴァンダイク元帥に問いかけた。


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