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また会えるから
第一章

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             また会えるから
 百田家から引き取られた二人の女の子達は新しい親に引き取られることになっていたが遂にその日が来た。
 それで百田家そして二人を預かっている国崎家の共通の親戚である家から夫婦が来て国崎家の家長である文太に言った。
「では今からね」
「あの娘達をうちに迎え入れるわね」
「それからは僕達の娘達として」
「大切に育てていくわね」
「ああ、あんた達なら大丈夫だ」
 文太は二人に笑顔で答えた。
「だから任せたぞ」
「二人共公平に育てるからな」
「しかも大事にね」
「あの二人みたいなことはしないからな」
「何があってもね」 
 二人の生みの親であり上の娘への育児放棄が虐待となり逮捕され親権を放棄させられることになった彼等のことも話した。
「安心してね」
「そうならない様に努力するからな」
「私達はこれまで子供がいなかったけれど」
「肝に銘じておくな」
「宜しく頼むな、二人共生きているんだ」
 命ある存在だということをだ、文太は二人に話した。
「そのことはあんた達はわかっているからな」
「大丈夫か」
「二人をちゃんと育てられるのね」
「俺はそう思ってる、けれど何かあったらな」  
 その時はとだ、文太は二人に笑顔でこうも話した。
「俺も他の人も頼ってくれよ」
「そうさせてもらうな」
「その時はね」
「そういうことでな」
 二人に笑顔で話した、そして彼等に赤ん坊達を託したが。
 この時ケージからふわりが出て来た、ふわりは二人のところに来て悲しそうな顔をして座って鳴いた。
「クゥン」
「お別れだからだな」
「ワン・・・・・・」
 その通りだと鳴いて応えた、分野はその彼女を見て言った。
「大丈夫だぞ」
「ワン?」
「二人共近所にいるから何時でも会える」 
 ふわりから見て妹達にあたる二人のことを話した。
「だから毎日にでも会いに連れて行ってやるな」
「お母さん達とのお散歩の時にそうするわね」 
 文太の妻の由里子も言ってきた。
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