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最期の祈り(Fate/Zero)
眠れない夜(彼女の信じたもの)
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S格納庫にいた。
「自身を持て、一夏。この1週間で大分強くなっ……ては無いがましになった」
「おいおい、決戦前でそのジョークは笑えないぞ、箒」
「……」
「何故そこで黙る!?」
一夏の精神は、緊張しているが軽口は叩ける、つまり考えうる限りベストだった。あまり緊張し過ぎてもダメだが、無ければ即座にやられてしまうだろう。
「はは、調子は良いみたいだね。僕も1週間付き合ったかいがあったよ」
「おう……サンキュな、切嗣」
切嗣は普通に一夏を励ます。この1週間、魔術師殺しの特訓を受けて来た一夏は確かに目覚ましい進歩を遂げていた。それを活かせるかどうかは彼次第。
「不具合は無いか、一夏?」
「大丈夫だ、千冬姉」
装備したISの拳を握りしめ確かな感触を確かめる。
「オリムー、負けたらパフェ奢ってね」
「はは、そりゃ負けられないな」
「クラスの皆にね〜」
「破産の予感!?」
相変わらずの本音。いや、
「だから、絶対に勝ってね〜」
彼女なりの激励なのだろう。
「あぁ、絶対に勝つさ」
そう言うと、一夏は決戦の舞台に向かっていった。






「……逃げずに来られましたか」
其処には既にISを装備したセシリアが待っていた。
「当たり前だ。あそこまで啖呵をきって逃げられるか」
その発言が嬉しかったのか、少しセシリアは微笑んだ。
「……やはり、貴方は他の殿方とは違うのですね」
そう言うと、セシリアは続けた。
「だからこそ言わせて頂きます。一夏さん、









この戦い、引いて頂けませんか」






「なっ……!?」
予想外の言葉に狼狽える一夏。無理もない。この戦いを提案したのはセシリアなのだ。まさか彼女から放棄するとは思わなかったのだろう。
「単純な実力から考えて、私が勝つのは明白でしょう」
構わずセシリアは続ける。
「この1週間、一夏さんは私に勝とうと必死でしたね?」
「……ああ」
「だったら、もういいです。貴方が口先だけの人でも、「あの男」のような人物でも無いことは理解出来ました。だったらもう良いです。この戦い、私の負けで構いません。クラス代表の件もお譲りします。ですから……」
「悪い、セシリア」
悪いとは思ったが、セシリアの発言を途中で遮る一夏。
「気持ちは嬉しいが、それは出来ない」
ゆっくり、噛み締めるように、自分の言葉を吐き出す。
「俺さ、この1週間、お前に勝とうと必死で色んな奴等に助けて貰ったんだ」
「……知っています」
「だから、今ここで逃げたら、アイツ等に胸を張って帰れない」
それを聴いたセシリアは、満足そうに息をはいた。
「貴方らしいというべきなのでしょうね……」
「それにな、セシリア」
恐らく、これも彼の本心なのだろう
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