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最期の祈り(Fate/Zero)
眠れない夜(彼女の信じたもの)
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。特に、高速で迫ってくるレーザーに対しては。
「う〜ん。じゃあ、こうしない?」
今まで突っ込みに徹していた本音が初めて意見を述べた。


それから1週間、夜9時まで一夏の悲鳴が響き渡ることになった。






「はぁ〜」
セシリアと一夏の闘いが明日に迫る前夜、切嗣は欠伸を噛み殺しながら歩いていた。
最近は一夏の訓練に夜遅くまで付き合い、自然と睡眠時間が削られていた。
アンフェタミンを使っていた頃が懐かしい。今の眠気を覚ます方法は、カフェインか、洗顔に限られているので非常に効率が悪かった。実際、今も部屋に水道が無いので、手洗い場に顔を洗いに向かっている途中だった。
別に、この学園の寮の設備が悪いわけではない。寧ろ、世界最高クラスと言っても過言ではなかった。だが、切嗣の部屋は最低クラスと言っても語弊は無かった。理由は単純。未だ、切嗣の部屋の準備が出来ていないからだ。切嗣の編入は余りに急だったので、学園側もそこまで手が回らなかったのだ。決して忘れているわけではない……多分。
「……」
鏡にある自分の顔を見る。そこには、適度に窶れた顔と、目の隈が見てとれた。5秒ほど見ていたが、何かを振りきるように顔をふると、手洗い場を後にした。そして、
「きゃっ」
「おっと」
曲がり角で誰かとぶつかった。一応、就寝時間は過ぎてないが、ギリギリでもあるため廊下は薄暗い。なので、ぶつかった相手を確認するのに少々時間がかかった。
「す、すみせん。余所見をして……」
「ご、ごめん。考え事を……」
若し、最初から相手が解っていたなら、さっきの会話は無かっただろう。ぶつかった相手はセシリア・オルコットだった。
「……」
気まずい空気が漂う。奇しくも、二人が会話をしたのはこれが最初だった。
「……ふん」
先に耐えられなくなったのは、セシリアだった。
踵を返すと、来た道を戻っていった。
「……随分と嫌われたものだ」
そういうと、切嗣は胸ポケットに手を伸ばし、
「……チッ」
タバコが無いことを思い出して止めた。


あの方は、一夏さんは、他の男とは違うのか?

自分と既に寝入っているルームメイト以外誰もいない部屋に、一人の声が空気を震わす。

信じたい。そうだと信じたい。あの方は、確かに私に追い縋ろうとしている。
……だが、未だ早計だ。ならば、見極めなければ……
織斑一夏が本当に違うのか、この目でだしかめなければならない。

不安だ。明日が不安だ。若し違ったらどうしよう。もう、私は信じる事が出来ない。

楽しみだ。明日がこの上無く楽しみだ。若しそうなら、私は……

もう、寝ましょう。いずれにせよ、全ては明日解ることですから……








決戦当日、例の4人と千冬はI
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