第六百四十三話 カルトとは何かその九
[8]前話 [2]次話
「出来るか」
「そうなるな、軍人さん達はやっぱりな」
「大人だな」
「そうだ」
このことは間違いないというのだ。
「だから堪えられてな」
「丁重に扱ったか」
「人間としてな」
「そういうことだな」
フランツもその通りだと頷いた。
「捕虜にしてもな」
「人間として扱って」
「占領地でもな」
「悪いことはしなかったか」
「そうだ、ただな」
「ただ?」
「あちらの食事は味が薄くしかも量が少ない」
これは戦争に行った連合軍の将兵達が口々に言ったことだ。
「しかも貴族用のレストランがあるらしい」
「平民は入られないのか」
「そこに兵隊さんが入ってだ」
兵士の階級にある者達がというのだ。
「レストランの従業員に嫌な顔をされたらしい」
「お客さんを差別する方が駄目だな」
フランツは連合の常識から述べた。
「それは」
「俺もそう思う」
タムタムも連合の常識から述べた。
「そのことはな」
「人に階級なんてないからな」
「社会的地位や収入の違いはあるが」
それでもというのだ。
「階級なんてな」
「ないな」
「大企業の社長も大臣も偉い学者さんもだ」
そうした社会的に有名で地位が高いとされる立場にあってもというのだ、人間社会ではどうしてもこうした違いが出来る。
「しかしだ」
「それでもだな」
「そうした場所から離れるとな」
プライベートに戻ったりその立場から去ると、というのだ。
「もうな」
「只の人だな」
「政治家は特にそうだな」
タムタムはここでこの仕事を例えに出した。
「政治家は選挙に当選してこそだ」
「政治家だな」
「しかし落選するとな」
選挙にというのだ。
「もうだ」
「只の人と言われるな」
「そうだ、本当にだ」
政治家はというのだ。
「落選するとな」
「政治家は只の人か」
「浪人さんだ」
仕事がなくてというのだ。
「そうなる」
「それが連合だな」
「そして人気アイドルもな」
今度はこの立場の者の話をした。
「引退するとな」
「元アイドルだな」
「やはり只の人だ」
「そうなるな」
「イスラム教では王様も乞食もアッラーの前では只の人だが」
そうした意味で等しいがというのだ。
「連合はそもそもな」
「階級が存在していないな」
「そもそも人間にはな」
「階級はないな」
「身分はな、立場はあるが」
それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ