第六百四十三話 カルトとは何かその七
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「そして民間人にもだ」
「手出しをしなかったか」
「したら死刑になっていた」
軍法会議にかけられたうえでだ。
「そうなっていた」
「化けものが相手でもか」
「化けものと同じことはしなかった」
「その時点で勝っているな」
フランツはここまで聞いてこう述べた。
「既に」
「圧勝しているな」
「俺達の方が人間だな」
「文明的だな」
「そうだな」
「連合は色々な問題がある」
このことは事実だというのだ。
「しかしだ」
「それでもだな」
「必要以上に残虐じゃない」
「死刑はそうでもな」
「血を好む国じゃない」
「決してだな」
「海賊やテロリスト相手でも遊びで人は殺さない」
絶対にというのだ。
「そんなことはしないからな」
「虐殺はないな」
「そして搾取もない」
これもというのだ。
「収奪もな」
「それは全員が市民だしな」
「階級がない、ブラック企業はあるが」
「そうした企業も見付かれば批判されるな」
「そうなるしだ」
それにというのだ。
「ブラック企業でも搾取はな」
「しないな」
「社畜と言われていてもだ」
それでもというのだ。
「奴隷かというとな」
「違うな」
「搾取もな」
これもというのだ。
「されているか」
「また違うな」
「そうだ、しかしエウロパはな」
「今も貴族が平民を搾取し」
連合ではこう考えられているのだ、あくまで。
「平民も無抵抗にだな」
「従っている、そしてだ」
「外にはそうしたことをするか」
「残虐にな」
「それも進んでか」
「そうしている」
こう言うのだった。
「連中はな」
「最低だな」
「そうだな」
「俺はそんな連中になりたくない」
「俺もだ」
タムタムもこう答えた。
「つくづく思う」
「化けものにはだな」
「餓鬼にもなりたくないが」
それと共にというのだ。
「そうもな」
「なりたくないな」
「ああ、だからエウロパは大嫌いでな」
「貴族の連中はだな」
「その中でも一番嫌いだ」
そうだというのだ。
「本当にな」
「俺もエウロパは嫌いだが」
フランツも連合の者でありその教育を受けて空気の中に生まれ育って生きている、それならばである。
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