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レーヴァティン
第二百三十二話 北の端までその十四

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「ただ抑え従わせるのではなくな」
「武器を奪ってご飯を食べさせるっちゃな」
「その二つだ、鞭はいらない」
「鞭を持たせないことっちゃな」
「鞭は傍にあればいい」
 それでいいというのだ。
「そして飯や銭をだ」
「与えるっちゃな」
「そうすればな」
「相手は逆らわないっちゃな」
「餓えた獣は襲い掛かる」
 そうしてくるというのだ。
「しかしだ」
「満腹なら襲わないっちゃ」
「そこに爪も牙もないとだ」
「尚更っちゃな」
「そうする、他の国人達もだ」
「領地は必要なら削いで」
「力も奪ってな」
 そのうえでというのだ。
「充分な富は保証し」
「従わせるっちゃな」
「かつ武はな」
「幕府が持つっちゃな」
「圧倒的なそれはな、そして富は与えてもその源はな」
「幕府のものっちゃな」
「金山も主な港もな」 
 そうしたものはというのだ。
「全てだ」
「幕府のものにするっちゃ」
「そうしていく」
「そうっちゃな」
「幕府が強い力を持たないとだ」
 そうしないと、というのだ。
「やはりな」
「国はまとまらないっちゃ」
「そうだ、軸がないとだ」
「国はまとまらないっちゃ」
 愛実もそれはと頷いた。
「本当に」
「だからだ」
「それでっちゃな」
「幕府は力を持つべきであり」
「そうした政治をしていくっちゃな」
「そうしていく、そのうえでだ」
「奥羽もっちゃな」
「治めていく、戦の後始末もだ」 
 これもというのだ。
「進めていく」
「これからっちゃな」
「そうしていく」
 こう言ってだった。
 英雄は実際に戦の後始末に入った、それはむしろ戦よりも大きなことであり彼は仲間達と共に本腰を入れて入ったのだった。


第二百三十二話   完


                   2021・11・1
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