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おぢばにおかえり
第六十七話 春休みが終わってその二十八

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「もうね」
「そうですか?」
「うん、それと彼は好き嫌いが物凄くはっきりしているから」
「嫌いだと全否定ですからね」
 あの嫌いだととことん嫌い抜く癖性分を何とかしてあげないと、というのは今も思うことでした。本当に困った癖性分です。
「あそこまで嫌う子はそうそういないです」
「逆に好きだと全肯定だね」
「そうですね」
 というか嫌っていないと褒めます、彼の場合嫌いでなかったらいいみたいです。
「そうしたところははっきり出ます」
「彼は表情に出るから」
「態度にも出ますね」
「嫌いだと本当に何でもするからね」
「気をつけないといけないですね」
「修養科の人達とも仲がいいけれど」
 それでもというのです。
「若しあの中に嫌いな人がいたらね」
「思いきり嫌いますね」
「目の敵にして」
 そうしてというのです。
「嫌い抜くよ、悪いことも言うし」
「うぇあざと聞こえる様に」
「そうするタイプだから」
 それでというのです。
「彼には気をつけるんだよ」
「そうします」
「千里ちゃんが注意してあげてね、あと彼の所属する布教所の所長さんもね」
「鈴木さんですよね」
「あの人だからね」
「あの人でしたら私も知ってます」
 もう奥華で有名人だからです。
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