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おぢばにおかえり
第六十七話 春休みが終わってその二十七

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「一体」
「小さいとかだよ」
「悪口なんですね」
 小さいと言われてすぐにこう思いました。
「言ってるのは」
「悪口は言ってないよ」
「けれど小さいっていうのは」
「小柄で可愛くて美人でって言ってるよ」
「お世辞ですか」
 私の何処が可愛くて美人か、心から思いました。
「それって」
「そうじゃないと思うよ、だっていつも凄く明るい笑顔で言ってるから」
「詰所で、ですか」
「大教会でも言っていたよ」
 八尾市にあるそちらでもというのです。
「明るくね」
「そうなんですか」
「もう毎日奥華の人に言ってるから」
「私のことを」
「真面目でおみちに熱くて礼儀正しくて公平で優しい人だってね」
「新一君には厳しくしてますけれど」
 いつも馴れ馴れしくて失礼だからです。
「それでもそんなこと言うんですか」
「それだけ千里ちゃんを見ているってことだよ」
「そうなんですか」
「それでいつも千里ちゃんのことを言ってるんだ」
「そうしたことをですか」
「そうだよ、それでこれからもね」
 新日君はというのです。
「絶対に毎日ここに来るよ」
「そうなんですね」
「千里ちゃんの顔を見にね」
「私の顔を見てどうするんでしょうか」
「その理由はもう皆わかってるから」
 杉浦さんは私に笑って言いました。
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