第九幕その十二
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一行はさらに先に進むと今度はセイウチに出会いました、セイウチは黄色い煉瓦の道の上で寝ていましたが。
一行が近付くと慌てて起きて言ってきました。
「御免御免通るね」
「ええ、ちょっとね」
「じゃあどくよ」
「そうしてくれるのね」
「だってここは道だよ」
黄色い煉瓦の道だというのです、オズの国の公道です。
「その上で寝ている僕の方が問題だから」
「それでなの」
「誰かが通るなら」
それならというのです。
「どくのがね」
「道理っていうのね」
「だからね」
こうトロットに言うのでした。
「ここはだよ」
「貴方がどいて」
「別の場所で寝るよ」
「そうしてくれるの」
「何処でも寝られるしね」
セイウチは笑って言いました。
「だからだよ」
「他の場所で寝るの」
「ここでね」
こう言ってでした。
セイウチは道の横に出てでした。
そこにまた寝転がりました、そうして一行に言いました。
「それじゃあね」
「これからはそこで寝るのね」
「そうするよ、じゃあね」
「道を通れば」
「そう、そうすれば」
それでというのです。
「いいよ」
「それじゃあね」
「うん、また機会があれば会おうね」
「どけてくれて嬉しいけれど」
それでもと言うトロットでした。
「けれどね」
「けれど?」
「いえ、貴方寝ることが好きみたいね」
「大好きというか生きがいだよ」
そこまでのものだというのです。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「また寝るよ」
「そうするのね」
「それじゃあね」
「またね」
早速寝ようとするセイウチに応えました、そうしてです。
一行は氷の世界も進んでいきました、そうしてイッソスの国に向かうのでした。
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