第17話 未来を知る者の告白
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、突然、話しかけたので驚いたようでした。
「アニキ、流石っ!じゃあ、早速いこうぜ!」
猪々子、お前は話を聞いてたのか?
「もうっ!文ちゃん、何しているのよ!すいません。正宗様」
猪々子が意気揚々と歩を進めようとすると、斗詩が猪々子の片腕を掴み、進むのを止めました。
斗詩は猪々子の耳に口を近づけてボソボソと話していました。
何を話しているのやら・・・。
「あの、正宗様・・・。よろしかったんですの?お忙しかったんじゃ・・・。それに大事な話って・・・」
麗羽は私の横に近づくと、申し訳なさそうな顔で私の顔を見ていました。
「麗羽が気にすることはないよ。それにさ、俺が忙しくしていたのは、自分の為だけど、麗羽の為でもあるから」
「私の為・・・?」
麗羽は意味が分からないのか不思議そうな顔をしています。
「そうだよ。だから・・・」
「アニキ、アタイ達はちょっと急用が出来たんだ。だから、アニキと姫の2人で行って来なよ」
「正宗様、そうしてください。文ちゃんと私は急用が出来ましたので、麗羽様とお二人で行ってらしてきてください」
言葉を続けようとしたら、猪々子と斗詩が私に話しかけてきました。
猪々子は私の顔を見て、何やらニヤニヤしているが、何が話していたのでしょう。
斗詩は物わかりが良くて、助かります。
猪々子にはもう少し、斗詩のような気配りを持って欲しいと思いました。
「わかったよ2人とも。じゃあ、麗羽一緒に行こうか」
私は猪々子の態度に不自然さを感じましたが、麗羽と一緒の森の奥に行くことにしました。
私達はあれから数刻懸けて、森の中を進み、人気の無い見晴らしの良い場所に居ました。
私は100メートル程離れた場所に、鉄砲の的にちょうどいい木を見つけると、木綿袋に入れてある鉄砲を取り出しました。
ズズドォーーーン。
鉄砲を撃つ準備をした私は的の木の枝目掛けて、弾丸を放ち枝を落としました。
銃声は静かな森の静寂を打ち破りました。
周囲に目を向けると銃声に驚いた山鳥が、一斉に飛び立っていました。
麗羽は私の行動を不思議そうに見ていましたが、私が鉄砲で枝を撃ち落としてからは、驚愕の顔で枝が落ちた場所とそれが元あった場所を交互に眺めていました。
初めて銃を撃った感想ですが、かなり体に衝撃がきますね。
麗羽に上げるのは、長筒ではなく、短筒にした方がいいかもしれないと思いました。
「何なんですの・・・?正宗様、どういうことか説明してくださいまし」
「これであそこの木の枝を落としたのさ。麗羽から借りたお金で、これを作っていたんだ」
そう言って、私は鉄砲を麗羽の目の前に差し出しました。
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