第二章
[8]前話
「スペイン語でなくて」
「バスク語?」
「スペインのバスク地方の言葉です、セビーリャにいた頃ご近所にバスク人のお婆さんいて教えてもらったんです」
「そうだったんだ」
「バスク地方はスペインの中で独特の地域で」
「そう言えば独立運動あるね」
「はい、バスクの人達は文かも言語も独特で」
スペインの中でそうであってというのだ。
「クロマニョン人の血を引いているとも言われています」
「そういえばそんな感じだったね」
上司はその人を思い出して答えた。
「何処か」
「あの人はバスク人で」
「バスク語喋ってたんだね」
「バスク語は物凄く特別な言語で」
黒羽はバスク語自体の話もした。
「難しいと評判で日本語と並んで独特だと言われています」
「日本語も難しいね」
「はい、ですが」
「バスク語もなんだ」
「そう言われていて。私はわかりますが」
それでもというのだ。
「スペインでもわかる人少ないです」
「あの人はそれを喋ってたんだ」
「そうです、まさか日本でバスク語でやり取りするとは思いませんでした」
黒羽はこうも言った。
「ですがあれでよかったですね」
「お陰で助かったよ、しかしスペインといってもスペイン語だけじゃないね」
「はい、ああした言語もあるんです」
スペイン語もというのだ、こう話してだった。
黒羽は自分の仕事に戻った、以後この会社にバスク語を喋る者は来なかった。だがそれでもであった。
黒羽の今回のことは社内でも評判になった、バスク語もわかることは。そしてバスク語という言語のことも。そうした言語もあるということもだった。
バスク語とか 完
2021・12・20
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