やっぱり僕は歌が好き 第一楽章「音楽は世界を救う……はず」
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からなんだ」
「音楽関係でやりたい事ですか? またアイリーンに手伝わせるんですか?」
「う〜ん……もしかしたら、そうなるかもだけど……当面は『謎のストリート・ミュージシャン、プーサン』の活躍がメインだね」
「え!? 陛下……違った、プーサン社長がストリート・ミュージシャンをやるんですか? 凄く気になります!」
「うん。先刻も言ったけど、音楽関係でやりたい事があって、それでお金が必要だから、小遣い稼ぎをしようと思ってるんだ」
「な、何も陛下が自ら稼がなくても、王様としてお金は沢山有るんじゃないですか?」
「王様は無給だよ。それに個人的な事に税金を宛がう訳にはいかないでしょ。あとプーサンがやりたがってるんであって僕じゃないよ」
陛下はもっと贅沢をするべきだと、私は思う。
「あれ? 『残酷な天使のテーゼ』は、まだ披露してないの? アップテンポな曲だから、あの音痴でも欺し欺し歌えるでしょ」
「はぁ……曲全体はアップテンポの名曲なのですが、出だしがスローから入るので、成功率が5回に1回なんです……」
「ウソだろ……そんなに成功率が低いのに、平然と人前で歌ってるのアイツ!?」
「私がマリーちゃんの美貌に嫉妬する余りに吐いたウソだったら、どんなに良いか……」
思わず大きな溜息を吐くと、目の前のお父様も一緒に溜息を吐いてた。
「アイツこの歌を使って僕の自慢の息子を貶してたけど、正しい歌詞の方は他人様に発表できないって……ふざけてるなぁ、相変わらず」
そう言えば、そんな歌を歌って説教されてたっけ……
「……………」
怒ってらっしゃるのか、陛下は腕を組んで何かを考えてる。
無理難題を言い付かるのは嫌だなぁ……
「……よし! ピエッサちゃん」
「は、はい!」
うぅぅぅ……怖い。
「多分、君の事だからこの歌に限らず、合格点のハードルは高いのだろうけど、この『残酷な天使のテーゼ』に関して、更に高いハードルを設定してくれるかな?」
「……? あの……如何言う事ですか」
「うん。例えばね、100点満点中80点以上の歌唱力になったら発表してたとして、この曲だけは95点以上の設定にして欲しいんだ」
「勿論陛下のご指示であれば従いますが、何故この曲だけなんですか?」
「僕の自慢の息子を馬鹿にした罰として、この曲で仕返ししてやろうと思ってる」
「でしたら絶対に合格させなくしましょうか?」
その指示の方が早いと思うのだが?
「それはダメだよ。多分無いと思うけど、アイツが死に物狂いで練習して、合格点を実力で超えたら、それはちゃんと評価しないとね。まぁ努力しないと思うけど」
「まぁ努力しないでしょう……あ、失礼しました!」
「イイって謝んなくて(笑)」
私が思
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