最終話 再会その十
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明るい、太陽の様な笑顔になってこう真人に言った。
「ちょっとね。行って来るよ」
「何処にですか?」
「教室。新しい教室にね」
そこに行くというのだ。
「今から行って来るよ」
「そこにですね」
「うん、絶対にいるから」
だからだというのだ。
「ちょっとね」
「わかりました。では」
「御免ね。今は別れるよ」
「いいですよ。行って下さい」
真人ははやる希望を笑顔で送り出した。
「是非。僕は少しここにいます」
「そうするんだね」
「再会の邪魔をする趣味はありません」
だからだというのだ。
「ですからどうぞ」
「うん、じゃあね」
「それに僕は」
「友井君は?」
「彼女がいますから」
あの眼鏡でショートヘアの娘がだ。笑顔で真人のところに来ていた。
その彼女と並んでだ。希望に言うのである。
「ですから。遠井君もまた」
「うん。じゃあ僕もね」
真人の笑顔の見送りを受けてそのうえでだった。希望は校庭を後にした。気持ちが自然とはやりそれで足が動く。無意識のうちに。
駆けていた。そうせずにはいられなかった。
校庭を駆け抜け校舎の中に入る。校舎の中もだった。
駆ける。新しいクラスまで。周りは見えなかった。
廊下も階段も目に入らない。まるで空を飛んでいる様だった。駆けている筈なのにやけに遅い様に感じる。だがそうして進みながら。
そのクラスの前に来た。するとだった。
そこに彼女がいた。あの制服姿で。
それでだ。笑顔でこう希望に言ってきたのである。
「只今」
「うん、お帰りなさい」
まずは笑顔での挨拶だった。
「会えたね、また」
「そうだね。これもね」
千春は希望に笑顔で言ってくる。
「希望のお陰だよ」
「僕はただね」
「その気持ちにね」
希望の心、それに対してだというのだ。
「有り難う。こう言わせてね」
「僕の気持ちに」
「そう。それで」
さらにだった。千春は希望に言っていく。
「これからも宜しくね」
「うん、ずっとね」
「もう。千春希望のところから離れないから」
「僕もだよ。何があろうともね」
例えだ。何があろうともだというのだ。
「一緒にいようね。ずっとね」
「そうしよう。それじゃあ」
千春は希望のところに来た。そしてだ。
彼の手を自分の出て握ってだ。笑顔で述べた。
「一緒にクラスに入ろう」
「そうだね。僕達のクラスにね」
希望も笑顔で応える。そうしてだった。
二人で並んで春のクラスに入る。二人はまた一緒になった。その手と手、心と心のつながりは深く強いものだった。もう一度結ばれたそれは何よりも温
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