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八条学園騒動記
第六百四十三話 カルトとは何かその五

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「血と欲望に塗れたな」
「だから植民地統治が出来たか」
「十字軍もだ」
 これもというのだ。
「エウロパの歴史は流れた血が多いが」
「それは連中が人間じゃないからか」
「宗派が違う」
 キリスト教のそれがだ。
「それだけで殺していたな」
「十字軍もそうだったな」
「そうだ、イスラム教徒も攻めたが」
 中東への十字軍である、俗に十字軍と言うとこの二百年の間に七回送られたそれだと言われている。
「それだけでなくな」
「東も攻めたんだったな」
 フランツはまずこちらの話をした。
「何でも」
「東方十字軍だな」
「リトアニアの方を攻めたな」
「リトアニア人が言っているな」
「キリスト教徒でないと殺していたな」
「狩っていた位だ」 
 即ち人間狩りを行っていたのだ。
「キリスト教徒は人間じゃない」
「そうみなしていてだな」
「そして無差別に殺してだ」
「改宗させてたな」
「そしてだ」
 今度はタムタムから言った。
「宗派が違ってもな」
「十字軍を送っていたな」
「南フランスでのことだった」
 その対象地域の場所も話した。
「カタリ派という宗派にだ」
「十字軍を送ったんだったな」
「アルビジョワ十字軍だ」
「その連中もいたな」
「そして実に残虐だった」
 タムタムは顔を曇らせて語った。
「もうそれこそだ」
「あいつ等らしくか」
「殺戮自体を楽しむ様なな」
「酷いものだったか」
「何しろカトリックの人も殺していた」
「自分達と同じ信仰でもか」
「その人達さえ殺してだ」
 そうしてというのだ。
「異端とされたカタリ派の人達をな」
「殺していたか」
「無差別にな」
 そうだったというのだ。
「そしてだ」
「そのうえでか」
「殲滅した」
「カトリックの人も一緒にか」
「この時のバチカンの糞坊主がこう言った」
「糞坊主か」
「無差別に殺せと十字軍に言ったからな」 
 だからだというのだ。
「糞坊主だ」
「そうなるか」
「そしてその糞坊主が無差別に殺せと言ってだ」
 そしてというのだ。
「カトリックと異端の違いは神が天国で見分けると言った」
「だから殺せか」
「疑わしきは罰せずでだ」
「疑わしいと殺せか」
「それも目に入った者はな」
 それこそというのだ。
「目をくり抜いたりもした」
「滅茶苦茶だな」
 フランツも話を聞いて顔を顰めさせた。
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