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レーヴァティン
第二百三十二話 北の端までその九

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「変わる、そのことは頭に入れておく」
「わかりました」
「ではその様にされて下さい」
「我等もそうします」
 幕臣達も応えた、そしてだった。
 敵の領主が一族と共に津軽城に籠りそこで最後の戦に入ろうとしていると聞いた、そしてそれだけではなく。
「そうか、騎馬隊でか」
「挑んできました」
「こちらの三十万の軍勢に」
「二万の兵で」
「そして敗れたか」
 そうなったことを聞いたのだった。
「十五倍の敵に向かったか」
「それも正面からです」
「そうしました」
「多くの兵を失ったそうですが」
「果敢に戦ったそうです」
「そして朝から夕刻まで戦いか」 
 劣勢の中でとだ、英雄はその戦いぶりを聞きつつ述べた。
「最後はか」
「はい、夕刻になり」
「日が落ちてです」
「それから城に下がりました」
「津軽城に」
「そしてそこで最後の一戦だな」
 それを挑むというのだ。
「わかった、ならだ」
「はい、まずはですね」
「これまで通りですね」
「使者を送りますね」
「そうしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「降る様に言う、これが最後だ」
「それで降らぬなら」
「それならばですね」
「攻めますね」
「会津若松城にそうした様にだ」
 今いるこの城の様にというのだ。
「砲に術、空船とだ」
「全てを使い」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「城を瓦礫の山にする様にしてだ」
 その様に攻めてというのだ。
「降す、いいな」
「わかりました」
「それではです」
「その様にしましょう」
「それを伝えるのだ」
 こう言うのだった。
「そしてその前にな」
「戦の前に」
「若し戦うのなら」
「それならばですね」
「城の中の戦わない者は全て出せとな」
 その様にというのだ。
「伝えるのだ」
「そうしてですね」
「戦わない者を全て出させ」
「彼等に気兼ねなく戦う」
「即ち徹底的にですね」
「戦わない者に刃を向ける趣味はない」 
 一切というのだ。
「だからな」
「彼等はですね」
「城から出させ」
「そうしてですね」
「戦いますね」
「そうする、ではいいな」
 今はというのだ。
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