第九幕その六
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「ここに来たらね」
「わしが来るから」
「その時はお願いね」
「そうさせてもらうよ」
「有り難うございました」
今度は皆でお礼を言います、ですが。
鷲頭の人は皆にこう言いました。
「お礼はいいよ」
「どうしてですか?」
ナターシャが尋ねました。
「助けてもらったのに」
「これが仕事だからだよ」
「貴方のですから」
「当然のことをしたまでだよ」
お仕事をというのです。
「だからだよ」
「お礼はですか」
「いいよ」
これはというのです。
「別にね」
「そうですか」
「嬉しいけれどね」
お礼を言われてというのです。
「これはわしの仕事だよ」
「だから当然ですか」
「そう、だからお礼にはね」
「及ばないですか」
「そうだよ」
「そうお考えなんですね」
「わしはね。ではまた機会があったら会おう」
最後にこう言ってでした。
鷲頭の人は空飛ぶヨットと一緒に姿を消しました皆その後でまた旅を再開しますがもう峡谷は越えていて。
今度は雪の森に入りました、その森に入ると前ノーム王は言いました。
「何かこの森はね」
「どうしたの?」
「いや、面白い森だね」
こう言うのでした。
「色々な生きものがいて果物が実っていて」
「それでなのね」
「いい森だね」
「何か」
ナターシャは森の生きもの達を見て言いました。
「ロシアの森みたいね」
「君のお国だね」
「クズリがいてグリズリーがいて狼がいて」
そしてというのです。
「虎も鹿もいるから」
「だからだね」
「ロシアの森みたいよ、雪に覆われているしね」
「雪の森って」
ここで言ったのはビリーナでした。
「独特の趣があるわね」
「ええ、真っ白でね」
ポリクロームはその雪の上をくるくると踊りながら進んでいます、そのうえでビリーナに応えるのでした。黄色い煉瓦の道はありますがポリクロームはそこから外れてそこを歩いているのです。
「素敵な場所ね」
「そうよね」
「それでロシアの森は」
「こうした場所で」
「それでクズリやグリズリーがいる」
「そうなのね」
「ええ、カナダやアメリカの北部にも似てるけれど」
ナターシャはビリーナとポリクロームにお話しました。
「ロシア、シベリアの森はね」
「こうなのね」
「雪とそうした生きものの世界なのね」
「ええ、とはいってもロシアはとても広くて」
そうしたお国でというのです。
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