暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
関東大会
[1/3]
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
第三者side
それから試合は順調に流れていき、最終回の攻防を迎えていた。
「莉愛!!明里に繋いでね!!」
「はい!!」
1アウトランナー一塁で打席に入る莉愛。マウンドに上がっているのは前の回から瑞姫の後を引き継いだ結月。二年生である彼女もこれといった決め球がなく前の回は苦戦していたが、下位打線から始まるこの回は先頭をサードゴロに打ち取った。だがその直後に四球を与えてしまい球審を務める真田は眉間にシワを寄せながら試合の流れを見定めている。
(投手が代わってから大味な試合になってしまったが……収穫も十分にある試合だった)
陽香の後を投げた瑞姫は進学後初マウンドとは思えないほどの落ち着いた投球で二回を完璧に抑えてみせた。ヒットこそなかったものの栞里の投球をアジャストしていい打球を放ち、守備にも安定感があった紗枝。そして彼の目の前で今打席に入っている少女。
(瑞姫はすぐにでも試合に出せる。紗枝と莉愛は経験を積ませれば新チームには間に合うだろう)
その他にも気になる少女たちが出てきてくれたことに彼は感謝していた。上級生たちには大きな進歩が見られなかったことに少し残念さをかんじてはいたものの、それを補って余るほどの収穫と言えたのだろう。
(明日からの試合で少しずつ経験を積ませていく。2試合目なら相手も力を落としてくるだろうし)
そんなことを考えていると莉愛は難しいボールに手を出してサードへのファールフライを放ち2アウト。打席には前の打席で結月からヒットを打っている明里。
(明里も変に気負わなければもっと上の打順を任せたっていいのに……まぁ仕方のないことだけど)
実力はあるが頭でっかちになりがちな彼女を見て頭を悩ませる。この試合は優愛から煽られたからかスイングに力が戻っているが、いざという時に序盤のような打撃をされると計算が難しくなってしまうのが彼女の難点。
その考えを知ってか知らずか明里は初球を捉えると打球は空高く舞い上がる。しかし、あらかじめ深めに守っていたセンターがこれを捕球しゲームセット。紅白戦は陽香と莉子が率いるチームが中盤の大量得点を生かし勝利を納めた。
「よし!!お疲れさん!!陽香、明日の試合もあるから今日はクールダウンして上がらせろ」
「わかりました」
整列が終わるや否やそう指示を残してバックネット裏の本部席に向かう真田。彼から指示を受けた陽香は全員に聞こえるように声を出す。
「ピッチャーとキャッチャーはキャッチボールしてからアイシング。他は伊織を中心にストレッチ始めておいて」
「「「「「はい!!」」」」」
すぐにそれぞれの動きを見せる少女たち。それを見ていた真田はノートを取りながら笑みを浮かべている。
「明日からの試合に向けてモチベーションも高い
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ