第四百八十二話 スサノオの思惑その八
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「この娘実は」
「六は脳筋なのよ」
彼女の幼馴染みの一人でもある信奈が言ってきた。
「だからね」
「それでか」
「難しいことは理解出来ないの」
「それは厄介だな」
「だから漢字もあまり読めないし」
脳筋であるが故にというのだ。
「学校の成績もね」
「そうなんだな」
「まあそれでもいいだろ」
万丈は気にしていなかった。
「どうとでもなるからな」
「脳筋でもなのね」
「ああ、そんなことはな」
それこそというのだ。
「どうでもいいだろ」
「じゃあ大事なのは何かしら」
「心に決まってるだろ」
万丈は信奈に一言で答えた。
「やっぱりな」
「そういうことね」
「ああ、だからな」
それ故にというのだ。
「別にな」
「頭がどうとかはなのね」
「どうでもいいさ、人間の心があるか」
このことがというのだ。
「大事さ」
「そのことが」
「俺だって頭悪いさ」
万丈は自分のことも話した。
「けれどそれでもやっていけてるからな」
「六もなのね」
「別にいいさ」
こう信奈に話した。
「だから一緒にやっていこうな」
「それじゃあね」
「いや、あたしずっとこうなんですよ」
勝家自身も万丈に言った。
「頭を使うことは」
「それよりも身体を動かすよな」
「そっちの方が得意でして」
それでというのだ。
「今もファイル読んでも」
「頭に入らないか」
「全く」
「そうか、けれど何度か読んでるとな」
そのファイルをというのだ。
「それでもな」
「頭に入りますか」
「だから何度も読めよ」
「そうさせてもらいます」
「それで頭に入ればいいけれど」
信奈は真剣に心配していた。
「正直六のオツムって凄いから」
「天下布部で赤点取ってるのは勝家だけだしな」
義晴も員杯そうだった。
「本当にどうだろうな」
「まあどうにでもなるだろ」
桐生は至って楽観的であった。
「これまで覚えられなかった奴いなかったしな」
「そうなんですか」
「ああ、皆な」
それこそとだ、桐生は義晴に答えた。
「覚えてきてるしな」
「だから勝家もですか」
「大丈夫だろ」
「そうですか」
「これまで覚えられなかった奴は一人もいないんだよ」
「最初の一人とかは」
「いや、勝家ちゃんより凄いの幾らでもいるからな」
桐生は笑って話した。
「小学生いや三歳の娘だっていたしな」
「三歳ですか」
「もっともその娘は三歳で獣みたいな歯が生え揃ってて一人でログハウス造れてモンスターとも平気で戦えるけれどな」
「それ化けもの」
利家は彼女のことは知らないがそれでもこう言った。
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