予想外
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れてねぇぞ」
さっきレオンもろともバリーザウィッチを攻撃したことをずいぶんと根に持っているようで彼がこちらを睨みながらそんなことを言っていた。でもお前も俺のこと殴ってるし実質三つ巴状態なんだからあんまり気にならない。
「潰し合ってくれるならそれでもいいかと思ってたけど、シリルを潰されてしまったらお話にならないからな・・・」
そう言った彼は髪をかきあげたかと思うと、その髪が白く変色し腰元まで長く伸びていく。
「な・・・なんだ?」
「これは・・・」
明らかに雰囲気が変わっていく敵に揉めていた少女たちも異様な雰囲気を感じ取り押し黙っている。彼はそのまま変化を続けていくと、背中から翼が生えてきて、完全に天使という言葉が相応しい風貌になっていた。
「それがお前の本当の姿か」
「そうだな。我々は地上に降りる時本来の姿を晒すことはない。ゆえに真実の名を告げることもないのだ」
言われてみれば以前戦った天使たちも名前を知らないままだ。お母さんがお父さんに名前を名乗った時も親友であるクロノスに注意されたって言ってたし。
「これ以上時間をかけては間違いが起こりかねない。シリル、君を連れて私の使命を完了させてもらおう」
「シリルを・・・連れていく?」
先程この場にやってきたばかりのウェンディはバリーザウィッチ・・・いや、敵の狙いを聞いたウェンディの表情が大きく変わった。その目は怒りの感情が大きく現れている。
「そんなことさせません!!シリルは私の大切な人なんです!!」
「そんなことは関係ないんだよ。これは君たちを守るためでもあるんだから」
少しずつ魔力が上がっていくウェンディ。しかし、真の姿を露にした敵から発せられる魔力はそれを遥かに上回っている。
「仕方ない、君には眠っておいてもらおうかな」
その瞬間敵の姿が消えた。いや、消えたんじゃない。速度を究極に上げた彼は一瞬でウェンディの前へと移動していたのだ。
「え・・・」
そのまま彼は困惑の表情を浮かべる少女目掛けて振り下ろされる手刀。それに彼女は反応することができなかったが、その攻撃は彼女を捉えることはなかった。
ガンッ
「ぐっ・・・」
彼が視界から消えた瞬間、無意識に俺も動いていたんだ。彼の視線の先にいたのはウェンディだけ。だから彼女を守ろうと自然と前に立ち、その攻撃を首元に受けた。
「シリル!!」
ただの手刀なのに今まで感じたことのない痛みが肩に走る。ウェンディが心配して声をかけてくれるが、それに答えることすらできない。
「予想できていなかったが、君を連れ帰るには嬉しい誤算だな」
彼の予知にはなかった出来事だったようだが一切動揺は見られない。それどころか俺が戦闘不能になったことで逆に目的を
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